【肥後遊記】第6譚『肥後のふしぎなもん』ポストアマビエ?熊本のお寺にいる不思議な生き物”白澤“ってなあに?
水上村にある千光山生善院。ここの本堂に不思議な姿の生き物彫像がある。その名は「白澤」。ルーツは古代中国?彼こそ疫病と争いで不安な現代に必要な存在だった!妖怪ひ~がぶらりぶらり旅する『肥後遊記』第6譚、生善院の白澤!
今回は、水上村にある生善院本堂に彫られた妖怪・白澤をご紹介します!
生善院については前回、化け猫伝説について書いているので、ぜひ合わせてご覧ください!
白澤を探せ!
さて、生善院にいる白澤は、本堂向拝の蟇股部分という、なかなか気付きにくい場所に座っています。
柱の上から睨みをきかせ、まるで本堂に近づく悪いのものから、建物を守ってるように見えます。
白澤はありがた~いレアキャラ
それでは、この白澤はどのような存在なのでしょうか。
【白澤の特徴】
中国の想像上の神獣
世が平和になり、徳のある統治者があらわれると姿を見せる
人語を理解する
姿は牛に似ている
顔と脇腹に9つの目がある(顔に3つ、脇腹の左右にそれぞれ3つ)
そして本日の本命、内/藤/記念/く/すり博物館の白澤像🙏
本体は木造のようだったけど九つの眼のとこはガラスっぽいのが嵌め込まれてて虹彩金色だわ…すごい てなってた 七宝とか金属なのか、漆とかに金彩なのか…もともとどこに奉られてた像なのか訊いてくるの忘れてしまったのでまたの機会に pic.twitter.com/0J6L0buq9c— みつしろ (@ktnikuon) October 6, 2021
また、中国には白澤が登場するこんな伝説があります。
伝説上の帝王である黄帝が、視察に出た際に白澤と出会い、白澤から11,520種の鬼神(病魔や天災等)を撃退する知識を伝えられました。黄帝は、部下に『白澤図』という伝えられた内容をまとめた書物を作らせました。
この伝説から白澤は、災難や病気を退けると信じられるようになりました。
日本では特に江戸時代に人気を博し、コレラが流行した際には、白澤の絵図等を持っているとコレラにかからないと考えられていました。
最近では、『鬼灯の冷徹』や『足洗邸の住人たち。』などの漫画にキャラクターとして登場し人気になっています。
ポストアマビエ!?
一時期より少なくなったとはいえ、新型コロナウイルス感染症の流行は、まだまだ続いていますね。
今回、白澤の力にあやかって新型コロナの流行を沈静化させるために、同じオルターの【くまもと美術探訪】のきなこ氏に令和版白澤図を描いていただきました!
皆様にも白澤のご利益があることをお祈りします。
あのキャラクターのモデル?
うわさですが…生善院の白澤が、人吉球磨が舞台といわれる某人気アニメのあのキャラクターのモデルになっているとか…
さあ、今回は、ここまで!
平和な世、疫病退散をお願いに生善院に足を運んでみてくださいね!
次回は、五木の子守唄で有名な五木村にお邪魔し、ぶらぶらと町歩きしますので、お楽しみに!
【NEXT】
第七譚 『肥後のよかとこ、あんなとこ』
山間に、響く音色の、子守唄(五木村)
おまけ
あの人もコレラ除けの神様!?
江戸時代、日本でコレラが大流行し、人々は様々な手段でコレラへの感染を防ごうとしました。その対策として白澤図も用いられましたが、この他にも熊本藩初代藩主・加藤清正の姿を描いたものも多く出回りました。
これは、コレラを漢字で書くと「虎列剌」や「虎烈刺」と表記されることから、虎退治の伝説を持つ清正の力にあやかろうとしたものと考えられています。
例えば、下図の「疫癘神 加藤清正の手形」を門柱に張っておけば、コレラにかかるのを防ぎ、コレラになっても助かるとされました。
ちなみにコレラに虎の字があてられるのは、コレラの感染拡大の速さを虎の走力に例えたためともいわれています。
[…] 実は先日、オルターの妖怪ひ~さんとコラボさせていただきました! […]