夏休みの自由研究にもオススメ! 阿蘇火山の専門家に無料で相談できる!
阿蘇カルデラの入口・立野で夏休み特別企画「阿蘇のタカラモノ」が開催! 実験コーナーもあり、活火山ならではの珍しい石を見たり触ったりして楽しめる!

目次
『阿蘇火山博物館』と言えば、阿蘇市の草千里ヶ浜の前ですが、JR立野(たての)駅近くに『阿蘇火山博物館 南阿蘇サテライトEntrada(エントラーダ)』がオープンしました。
「エントラーダ」とはスペイン語で「入口」を意味し、英語で言えばエントランス。そう、立野は阿蘇カルデラの入口に位置するんです。
1875年(明治8年)~2012年(平成24年)と140年近くも愛されて来た、南阿蘇村立の立野小学校の校舎を活用。もと運動場だから、無料駐車場は広いですよ~。
勤勉の象徴だった二宮金次郎像も「歩きスマホを助長する」と言われる時代となり、すみっこに。
『公益財団法人 阿蘇火山博物館』の前館長で学術顧問でもある池辺伸一郎博士によると、「阿蘇草千里にある火山博物館と、南阿蘇サテライト『エントラーダ』が連携して、子どもたちにたくさんの学習の機会を提供したいですね。今回は夏休み特別企画として『阿蘇のタカラモノ』というイベントを土・日曜と祝日のみに開催します」
主催は火山博物館で、共催は2004年に設立された『NPO法人阿蘇ミュージアム(AMUS)』と、『熊本大学くまもと水循環・減災研究教育センター』。その人脈を活かし、11日間すべて専門家が夏休みの自由研究の相談にも応じてくれるんです!
しかも、入場・相談ともに無料!! ぜいたく過ぎる!
しかも、展示室などで入手できる『阿蘇のタカラモノ』のチラシを阿蘇火山博物館に持っていけば、入館料が割引になります!(小学生100円引き・中学生以上200円引き)
カルデラづくり実験や石に触れるコーナーも
ライブラリーでは、世界各国の火山の本がドーン!
大迫力の溶岩の写真などを見ることができます。
AMUS(アミューズ)理事からの寄贈だそうです。
どんだけ火山好き!?
イスに座って、写真集や専門書、子ども向けの本など自由に読むことができますよ。
池辺先生は、「『エントラーダ』という施設名は、『阿蘇カルデラの入口』という意味だけではないんです。南阿蘇村にある京都大学火山研究センターの大倉敬宏教授から『子どもたちに、火山・地球・自然科学への興味を深める入口となる施設になってほしい』とのご提案を受けて、名付けました。もっと知りたい!学びたい!と思ってもらえるような資料を提供したいです。そして興味のある分野を深掘りして自由研究するという、『知の広がり』の場になったら嬉しいですね」と語ります。
注目は、カルデラづくり実験のコーナー!
カルデラとは、火山活動でできた巨大なくぼ地のことです。何万年も前に阿蘇カルデラがどうやってできたのか、AMUSスタッフが再現してくれますよ。
おおーっ、噴火したー!と声が出ます。
※小麦粉を使うので、小麦アレルギーの方はご注意ください。
上の写真の中から「石ではないものをさがそう!」というコーナーや、石を上手に組み合わせて高く積むロック・バランシング体験コーナー、プロジェクション・マッピングなどもあります。
あ、これは何ですか?
池辺先生は「きなこもち(笑)」って。
いや、ちがーう!
阿蘇の特産品です。
ヒント:誰もが使ったことがある黄土色のクレヨンに必ず入っているもの。
正解は、青い服のAMUSスタッフに聞いてみてくださいね。
夏休み特別企画「阿蘇のタカラモノ」
展示室には、ほかにも岩石や火山灰・草原・水など“阿蘇のタカラモノ”がズラリと並んでいます。
阿蘇と言えば、活火山である中岳が有名ですよね。
下の大根みたいに長~いのは、中岳が噴火した時、飛ばされたマグマが固まった「火山弾(かざんだん)」。
マグマがネバネバかサラサラか、粘り気によって、いろんな形や大きさになります。
阿蘇は4回の巨大噴火をしており、一番古い27万年前の噴火がAso-1(アソワン)、14万年前はAso-2(アソツー)、13万年前はAso-3(アソスリー)、そして現在のカルデラができた9万年前の噴火はAso-4(アソフォー)と呼ばれます。
それぞれの噴火の時の火砕流堆積物(かさいりゅうたいせきぶつ)も展示されています。なぜ「これはAso-4だ」とわかるんでしょうね。
顕微鏡や携帯用ルーペも用意されているので、石の細かい組成を観察してみましょう。
上の、流れるような模様が入っているのは、流紋岩(りゅうもんがん)。
上のグレーの部分は軽石で、黒い部分だけカッチカチ!
これは黒曜石(こくようせき)を焼いたものです。
流紋岩質マグマなどネバネバしたマグマが急激に冷やされると、黒曜石ができます。たとえば海底で噴火すると海水で急冷されて、火山ガスが閉じ込められたまま石になります。その黒曜石がマグマの熱などで焼かれると、閉じ込められていたガスが発泡して抜けていき、スカスカの軽石が残るというわけです。
「え、でも阿蘇は海底火山と関係ないよね」と思った人、展示室で質問してみてください。
上の、黒くてピカピカしたのが、黒曜石。「手が切れるので気をつけてください!!」と注意書きがあります。
旧石器時代に、私たちの祖先は黒曜石を削ってヤジリを作り、動物を捕まえていたんでしょうね。
あれ、黒曜石は「トルコ カッパドキア」産ですって。
さすが、石好きで火山地質学を研究されている池辺博士。世界の石を集めていらっしゃるんですね。
ほかにも、「恐竜の卵」や「アンモナイト」の化石など、滅多に見ることのできない貴重な石を目の当たりにできますよ!
自由研究の相談に専門家が無料アドバイス
『エントラーダ』の開館は、2025年夏休みの場合、土・日曜と祝日の計11日のみです。その期間中、小中学生とその保護者を対象に、自由研究の相談コーナーが設置されます。
相談時間は10:00~15:00、1組30分程度で、予約不要・無料です。
以下のテーマに沿って、各分野の専門家の先生が相談に乗ってくれますよ。※予定が変更されることもあるので、事前に確認してくださいね。
①7月26日(土) テーマ「阿蘇の植物大発見」、内容:いろいろな植物・見分け方など
②7月27日(日) テーマ「火山の噴出物、阿蘇山のひみつ」、内容:阿蘇の火山の成り立ち・火山岩・噴火のしくみ・火口の活動など
③8月2日(土) テーマ「石ころ博士になろう!」、内容:岩石の種類・化石
④8月3日(日) テーマ「火山のふしぎ」、内容:マグマの性質、噴火のメカニズムなど
⑤8月9日(土) テーマ 「阿蘇の植物大発見」、内容:いろいろな植物・見分け方など
⑥8月10日(日) テーマ「草原の植物や動物」、内容:草原の特徴的な動植物
⑦8月11日(月・祝) テーマ「阿蘇の草原の成り立ち」、いろいろな植物・見分け方など
⑧8月16日(土) テーマ「熊本の地震と地層」、内容:熊本地震や南海トラフ地震などとの関係
⑨8月17日(日) テーマ「阿蘇の地層と岩石」、内容:阿蘇のいろいろな岩石や地層の成り立ち
⑩8月23日(土) テーマ「草原の成り立ち」、内容:草原と放牧・草原焼き・環境保全と牛の役割など
⑪8月24日(日) テーマ「阿蘇の地層と岩石」、内容:阿蘇のいろいろな岩石や地層の成り立ち
専門家に教えてもらえる貴重なチャンスですよ。あなたの自由研究をグレードアップさせましょう!
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