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【熊本の星】63歳から独学で画家へ!木下睦夫さん、仏サロン・ドートンヌで2年連続入選の快挙

熊本在住の画家・木下睦夫さんが、63歳から独学で絵を始め、世界的な展覧会「サロン・ドートンヌ」で2年連続入選の快挙!その挑戦の軌跡と魅力に迫ります。

目次

熊本の画家・木下睦夫さん、権威ある「サロン・ドートンヌ」で2年連続入選の快挙!

世界の名だたる芸術家を輩出した「サロン・ドートンヌ」とは

サロン・ドートンヌ(Salon d’automne)と言えば、アート好きの間では知られる展覧会だけど、フランス語で直訳すれば「秋の展覧会」の意味。

 

明治後期の1903年からパリで毎年開催され、世界中から応募した新進気鋭の画家が腕を競います。レオナール・フジタこと藤田嗣治さん(現在の熊本大学教育学部附属小に通学)、東郷青児さん、佐伯祐三さん、小磯良平さん、ヒロ・ヤマガタさんなど名だたる芸術家たちが入選した、歴史ある展覧会なのです。この国際的な展覧会に入選するのは、画家にとってこの上なく名誉なこと。

熊本からパリへ!『魂の風景』『ノスタルジア』で連続入選

アトリエで作品を制作する画家の木下睦夫さん

そんな権威あるサロン・ドートンヌに、熊本市在住の画家・木下睦夫さんの作品が選ばれたのです!!!

 

す、すごい!

 

まずは2021年、『魂の風景』で初出品初入選!🥰

サロン・ドートンヌ2021入選作、木下睦夫さんの作品『魂の風景』

続いて2022年、『ノスタルジア』で2年連続入選!🤩

 

画集にも掲載されています。

サロン・ドートンヌの公式画集に掲載された木下睦夫さんの作品

こちらが『ノスタルジア』

サロン・ドートンヌ2022入選作、木下睦夫さんの作品『ノスタルジア』

木下さんの作品がパリで展示されている様子は、YouTubeでも紹介されています。

63歳からの挑戦!サラリーマンから独学の画家へ

新進気鋭の画家として評価された木下さん。

絵筆を握ったのは退職後

芸術家としてのスタートは2014年6月、御年63歳の時。

 

えええっ! 若い頃から絵を学んだんじゃないんですか?

アトリエでインタビューに答える画家の木下睦夫さん

「いえ、それまでは接客業のサラリーマンで、全く芸術とは無縁と言ってもいいほど。絵を描き始めたのは、退職した後ですもんね」

 

何歳から始めても、好きなことで世界的に評価される日が来る!

 

そんな勇気を与えてくれる快挙なのです。

100円ショップの筆とボール紙で世界に挑む独創性

 

サロン・ドートンヌは、前衛芸術家や新進気鋭の芸術家を世に出し、フォーヴィスムを生み出したことでも知られます。木下さんが評価されたポイントは、常に新しいことに挑戦しているところかもしれません。

 

美術の専門学校などで学んだわけではなく、独学。しかも、使う画材がユニーク!

 

100円ショップの筆とか、子どもが学校で使っていたヘラ、それに自分の指やハケなんですよ」と、照れ笑い。

 

そしてキャンバスではなく、グレーのボール紙!!!パリの審査員は、お金をかけたかどうかではなく、芸術性で審査してくださっているのですね。

評価に安住しない!常に新しい手法を探すチャレンジャー精神

 

木下さんがチャレンジャーなのは、絵を描く手法を毎回変えてみる、ということ。

 

人間って、一度高い評価をゲットすると、「あ、このやり方で成功する」と安住してしまいがちですよね。でも木下さんは、「こんなやり方はどうかな」と挑戦し、それを出品することで新たな評価を得て来ました。たとえば、この『希望の光を』という作品。

細かい文様が特徴的な木下睦夫さんの作品『希望の光を』

まず赤や黄といった色を塗り、その上から習字の筆で細かい文様を描き入れていく手法を編み出したのです。文様を描くと言っても、下書きなしの一発勝負!バランスよく描かないと、全体を見たときに違違和感を覚えてしまいます。

 

熊本から全国、そして世界へ。木下睦夫さんの快進撃の軌跡

「筆を折る覚悟」で挑んだ初出品で奨励賞を受賞

2014年に絵を描き始めた木下さんは、翌2015年には第27回熊本県シルバー作品展にチャレンジ。

 

「これで評価されなかったら、もう筆を折る覚悟だった🖌」

 

という覚悟で挑まれました。

 

いや、そんな初心者がいきなりは無理でしょう……。

 

熊本県トップ、そして「ねんりんピック」で全国の頂点へ

ところが洋画部門で奨励賞を受賞!2017年には『青の情景』で同じく県シルバー作品展洋画部門において、今度は金賞。つまり熊本県でトップになったのです。

熊本県シルバー作品展で金賞を受賞した木下睦夫さんの作品『青の情景』

この『青の情景』を引っさげて出品したのが、全国で選抜されたシニアが競い合う「ねんりんピックとやま2018」。ここでも美術展洋画部門で金賞を受賞。全国の洋画で金賞ですよ!まだ独学4年目、初心者と言ってもいいくらいのキャリアなのに‼?

 

その年に第73回熊本県美術協会公募展(県美展)で努力賞を受賞したのが『ノスタルジア』です。

熊本県美術協会公募展(県美展)で努力賞を受賞した『ノスタルジア』

同じ年に『朝靄の光景』で、熊日美術公募展「くまもと『描く力』2018」ふるさと部門入選。道場破りか‼?というような快進撃です。

サロン・ドートンヌ初挑戦で初入選の偉業

 

さらなる腕試しをしたくなった木下さんは、世界に挑戦するわけですよ。2021年、『魂の風景』でサロン・ドートンヌに初チャレンジ初入選! 弾みをつけて、翌年は『ノスタルジア』を出品すると、またまた入選!!!!

 

才能!? 努力!?とにかくすごい!

 

木下さんは

 

自分が目指すのは、他人がやっていないこと。それは何か。それを探すのが永遠のテーマですね」

 

とおっしゃいます。

 

パリで評価された作品を熊本で!上天草市で木下作品を鑑賞しよう

常設展示されている熊本県No.1作品『青の情景』

こんな木下さんの作品を、フランスに行かずとも間近に鑑賞することができるんですよ。ご出身地である上天草市の姫戸地域振興センターでは、熊本県でトップになった『青の情景』が常設展示されています。

上天草市姫戸地域振興センターに常設展示されている『青の情景』

パリジェンヌたちも鑑賞した作品を見るなら、図書館などもある上天草市姫戸地域振興センターへ!

木下睦夫さんの作品が鑑賞できる上天草市姫戸地域振興センターの外観

店舗情報

上天草市姫戸地域振興センター

TEL
0969-58-2111 (姫戸統括支所)
営業時間
8:30-17:15
住所
〒866-0101 熊本県上天草市姫戸町姫浦3384-5

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キュレーター紹介

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熊本県内から県外・海外まで取材に行き、様々な情報を紹介してきました! 歴史と火山、アニメ&特撮も大好きです。ステキなモノ・コトはもちろん、それを開発したヒトに興味があります。「この人にインタビューして!」という人物がいたら、教えてくださいね!

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