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【食と絵本の空館】La Reine Alice

2023年8月6日(日) 10周年記念感謝祭には、絵本『もったいないばあさん』の作者・真珠まりこ先生も来熊! 「ふしぎなマルシェ」も開催する『食と絵本の空館 ラレーヌアリス』とは!?

SDGsという言葉が流行る昨今ですが、日本では昔から「もったいない」という概念がありますね。それを子どもたちにもわかりやすい絵本にしてくださったのが大ヒットした『もったいないばあさん』。

 

もったいないことをしていると、すごい勢いでやって来る、もったいないばあさんは大人気!シリーズで17作品が発行され、累計で100万部を越えました。世界各国で翻訳されています。

 

アニメもあるんですよ(もったいないばあさんの声は、アンパンマンも演じている戸田恵子さん)。

 

 

その作者、真珠まりこ先生によるお話会が、なんと熊本県玉名市民会館で開催されます!

大人は500円、中学生以下は無料!当日絵本を購入すれば真珠まりこ先生がサインしてくださいますよ。参加するには、事前にお電話でのお申し込みが必要です。『食と絵本の空館 ラレーヌ・アリス』(電話番号0968-74-6688)まで。

 

『食と絵本の空館 ラレーヌアリス』とは!?

主催する『食と絵本の空館 ラレーヌ・アリス』は、2013年、玉名市にオープンしたフランス料理店。大きな通りからは見えない、隠れ家的なスポットです。

10周年記念感謝祭として、真珠まりこ先生による「もったいないばあさんのおはなし会」を企画されました。

 

オーナーは、熊本県で初めて、絵本セラピスト協会から絵本セラピストとして認定された武岡寿美さんです。『不思議の国のアリス』に登場するチェシャ猫を思わせるストライプで登場。

大人のための絵本セラピー®って何!?

公式ホームページには、「絵本セラピー®」とは、絵本の力を借りて、ありのままの自分で交流できる安心安全な『場』を作る技術」と書いてあります。

 

武岡さんは「私自身、絵本セラピストになるまでは『絵本って子どものためのもの』と思っていました。でも、私たちが行うのは、“大人のための絵本セラピー®”なんです。大人がグループで絵本を読んで語り合っていただきます。大人が絵本を読むことでその絵本の奥深さを知り、また感じたことをシェアする中で、それぞれの人の人生の奥深さまでも感じることができるんですよ。皆さんが、いかに人生を歩んで来たのか、なんでそう感じるのか。一人ひとりに想いがあります。それで勇気づけられたり、癒やされたりするんですよ」。

 

そんな武岡オーナーの優しい笑顔にこそ癒やされます。

そしてもちろん、おいしいフランス料理にも。

ラッキーなことに甥御さんがフレンチシェフ!

本日のデザートはメロンアイス&チーズケーキ。添えられたドライオレンジまで美味しい。

武岡さんによる自家製天然酵母パンは、バター・卵不使用

 

「バターや卵を入れるとフワッとしてコクも出るけど、パンが勝ってしまうんです」

 

フランス料理はソースが命。そのソースを味わい尽くすには、天然酵母パンの方がおすすめ。「バターは出さないので、パン独特の小麦の香りも感じていただきたいですね」と武岡さん。

 

開店準備として、会社勤めをしながら天然酵母パン教室に通いました。その頃、甥の増永伸一さん(当時20代)は、辻調理師専門学校を卒業後、大阪の有名ホテルの厨房に勤務。武岡さんは「地元で開店するけど帰郷する?」と大阪まで行かれると、ちょうどホテルの事業転換期と重なり、帰って来てくれることが決定。そこで“絵本ルームを併設したフランス料理店”に切り替えたそうです。

若き増永シェフがこだわっているのは?

「スープです」。

……しまった。焼いて甘みの出た粒とうろもこしの入ったスープ、アップで撮影する前に味わい尽くしてしまいましたよ。パンで全部ぬぐって。

 

うまみたっぷりの野菜は地元のものを中心に、熊本県産を使用。本日の「桃と生ハムのサラダ」に使われた白桃は、すぐ近くの玉名郡玉東町から運ばれたものです。もう、みずみずしい!!

旬の食材を味わっていただこうと、メニューは2か月ごとに変更されます。7~8月は、お肉が「ハーブ鶏の粒マスタード焼きと赤ワインソース」。
お魚がさっぱりとした「鮮魚(ハガツオ)のポワレ ラビゴットソース」。

 

武岡さんによると「1,870円のランチは、お魚かお肉か選べます。でも女性は両方食べたいじゃないですか。だからお魚とお肉が同じプレートで味わえて、前菜なども付いた2,420円のランチコースも設けました」とのこと。さすが、女性の癒やし方をご存じです!

絵本を読んで長居する人もいるので、地元のお客様はテイクアウトも頼まれるとか。お弁当・サンドイッチ・オードブル・スープ・サラダ・ホールケーキ等……って、もはやテイクアウトでコース料理完成してしまうのでは!?

なぜ、絵本!? なぜアリス!?

玉名市のご出身の武岡さんは、中学時代からバレーボールを始め、「高校のバレー部の先輩がいたから」という理由で、某大手メーカーに就職し、実業団チームへ。9人制バレーで全国大会にも進出する強豪でした。

36年間、半導体を作る会社員だった武岡さんが突然、退職して建てたのが、この『食と絵本の空館 ラレーヌ・アリス』。

30年以上前、精神障がいのある方々の家族会のお弁当配りを手伝いされていた武岡さんは、「自分は精神障がいについて知らないので社会福祉の通信教育を勉強しようとしました。でもわからなくて、高齢者福祉の色々な講座に参加したんです。熊本県立劇場での講座で国内・海外研修に行けることを知り、作文と面接の試験を受けました。そこで選ばれた10名が、『平成3年度熊本県女性地域リーダー育成事業』として、熊本県の姉妹都市である米モンタナ州とカナダへ研修に。福祉の先進国なので、とても勉強になりました」

1991年のこの事業の報告書で、既に武岡さんは「将来は私設図書館を作りたい。生涯学習の場として、子どもから大人まで本を通してコミュニケーションづくりができたら」と書いているのです!

55歳の誕生日4月29日にオープンする!と決めて、こつこつ本を集めていたんですよ」と語る武岡さん。『ラレーヌ・アリス』は、まさにドリームズ・カム・トゥルー!!なのです。

1991年の海外研修に参加後すぐ行動したのが、山口温代さんです。当時経営されていた喫茶店を拠点に、ボランティア団体『アリスの会』を立ち上げました。武岡さん含む8名(研修参加者)がメンバーとなり、熊本市にある『リデル・ライト両女史記念館』に隣接する高齢者福祉施設『リデルライトホーム』で、お年寄り相手のボランティア活動を始めたのです。

 

『アリスの会』は米モンタナ州で出会った女性の神父様を熊本に招待したり、後には熊本市の児童福祉施設の子どもたちにも参加してもらい、お年寄りと一緒に楽しむボランティアを定期的に行ったり、活動を続けて来ました。『アリスの会』で助成金を受け、モンタナ州でホームステイして高齢者福祉研修も企画。その時、なんと増永シェフ(当時小学生)も同行しているのです!

また武岡さん個人も、玉名市で「菊踊会」という新日舞の会に入り、お店を開業するまでの20年間、様々な福祉施設を慰問し、踊りを披露。踊りによるボランティア活動の範囲は、韓国・ハワイにまで及びました

玉名市でも朗読ボランティアを立ち上げ、数年活動するほど本好きな武岡さんは、読書普及協会の会員。その仲間が教えてくれたのが、「絵本セラピー®」だったのです。
大分のお友達の紹介で、2011年、地元の玉名市で絵本セラピスト協会の代表・岡田達信(おかだ たつのぶ)さんによる絵本セラピー®を直接受けることができました。そこで運命が変わったと言っても過言ではありません!

熊本県での絵本セラピスト第一号が誕生!

絵本セラピー®によって感銘を受けた武岡さん。「私は何のために生きるのか。何がしたいのか」と、自分を見つめ直す機会となります。私設図書館を設立するため、本をたくさん収集していたのですが、斉藤一人さんの著書に「迷った時は楽しいほうを選びなさい」と書かれていたのを思い出しました。(この言葉、マンガ『宇宙兄弟』で主人公が宇宙飛行士になろうと決意するきっかけになったシャロンのセリフなのでは……?)

 

武岡さんは「50歳過ぎて、心からやりたいことをやるかやらないか。会社も楽しいけど、死ぬ時に『本のこと、やればよかったなあ』と後悔するかもしれない。よし、私は会社を辞めて、本のことをやろう!」と決断し、その2011年、6月15日に退職されたのです。その2週間後、タイミング良く福岡にて「絵本セラピスト養成基礎講座」が開催。「参加する前は、『絵本は子どもが読むもの』と思っていたけど、大人でも絵本でこんなに感動するんだ!」と驚いた武岡さん。

 

熊本県絵本セラピスト第1号の誕生です!

 

お祖母様が大好きだった武岡さんは、「『ももたろう』『うらしまたろう』等の絵本を読むと、祖母が布団の中で歌ってくれた童謡を思い出すんです。懐かしい歌声ですね」

 

絵本ならではの簡潔な言葉。ワクワクする鮮やかな色彩。

 

そうだ、私設図書館は絵本に特化しよう!

 

店名を決める時に、お年寄りにも子どもたちにも寄り添っていた『アリスの会』のことが頭をよぎりました。メンバーの高齢化もあり、ずいぶん前にボランティア活動は止めていたのですが、この会は、いわば原点。武岡さんが山口さんに「アリスという名前を使ってもいいですか」と打診すると、快諾してくださったそうです。

これからの『ラレーヌアリス』は?

武岡さんの心の奥には、「人が好き。絵本で人が笑顔になるのが嬉しい」という思いがあります。700冊の絵本が並ぶこの空間で、「絵本を好きな人たちが交流できれば」と、『ラレーヌ・アリス』店内でも絵本セラピー®のワークショップを開催して来ました。

 

絵本セラピー®は随時受付してくれますが、1週間前までに予約が必要です。セラピーは1時間半ほど。2,500円でケーキセット付。

 

2023年5月には、山鹿市の『ガーデンカフェ28』のお庭で、参加者23名のワークショップを開催。

子育てグループや行政、保育士、カウンセラーなど様々な対象に向けて、絵本セラピー®の出張ワークショップも行います。

 

「ありのままで、自分らしさって?」というテーマに沿って、自己紹介をしたり、絵本の感想をシェアしたり。そうやって、自分の知らない自分自身に気づき始めるのです!

 

読み聞かせとは異なり、あくまで絵本セラピー®です。

 

武岡さんは、「『ラレーヌ・アリス』に来て、美味しいものを召し上がって、絵本で心が温かくなって帰っていただきたいですね。大きな窓から見える緑を眺めて、今日の雲はどんな形かな~とか、ゆったり過ごしていただきたいですね。それに、絵本があると、知らない人とでも、すごーく盛り上がって、楽しいですよ

 

ハロウィンの時季などにマルシェが企画されますが、2023年は10月22日(日)に「ふしぎなマルシェ」を開催。新鮮野菜や雑貨などの販売もありますよ。

ぜひ、絵本を楽しみに行ってみてください!!

店舗情報

食と絵本の空館 ラレーヌアリス

TEL
0968-74-6688
営業時間
ランチ11:30~15:00(ラストオーダー14:00)、ディナー18:00~22:00(ラストオーダー21:00)※ディナーのみ完全予約制。絵本ルーム15:00~17:00(レンタルスペース)。絵本セラピー®は1週間前までに要予約(ケーキセット付2,500円) 定休 火曜(※祝日は営業)
ホームページ
http://www.lareinealice.com
SNSアカウント
Facebook
住所
〒865-0022 熊本県玉名市寺田215-1

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キュレーター紹介

かのん

熊本県内から県外・海外まで取材に行き、様々な情報を紹介してきました! 歴史と火山、アニメ&特撮も大好きです。ステキなモノ・コトはもちろん、それを開発したヒトに興味があります。「この人にインタビューして!」という人物がいたら、教えてくださいね!

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