2019年のラグビーワールドカップ・女子ハンドボール世界選手権開催に向けて。 大会を支える方々に熱い思いを聞いてきました。
お二人のお仕事について
モリナガ:
お忙しいところ有難うございます。まずは、お二人の役割や、実際に行っているお仕事について教えてください。
田島さん:
私の方では、大会関係の機運を高めていくための広報や誘客に関することを行っています。また、実際に選手の方々や観戦客の方々がいらっしゃる際の宿泊や交通の輸送計画、ボランティアの方々などの対応を行っております。また、ファンゾーンを企画したりもしていますね。
菊池さん:
私は、お客様をお迎えするまで、誘客に繋がるまでの仕事を主に行っています。
モリナガ:
大きく、受け入れの整備と、来てもらうための事業を進めていらっしゃるということですね!
田島さん:
そうですね。この事務局全体では、この他にも、会場を整えたり、試合そのものを動かしていくための競技を動かしたり、海外から来られるお客様の調整を行ったり等、様々な動きの総合体が当事務局になっております。受け入れ体制の整備、誘客促進、大会の運営を一丸となって行っているところです。
モリナガ:
そうなんですね…。1年に2つもの国際大会の受け入れ、さぞ大変かと思うのですが、いかがですか?
菊池さん:
そうですね、もちろん、簡単ではないですが、ラグビーに関して言うと、ラグビー協会の方々のラグビー精神が素晴らしく、本当に楽しく、やりがいを持って準備が出来ています。どうやって世界水準を超えるのか、熊本らしさとは何か?など、日々議論をしながら、皆で頑張っています。このまま行けば、2年後は素晴らしい大会を開催できると今からワクワクしています。
熊本のラグビーを日本中に伝え、ラグビーを楽しむ子供たちを増やしていきたい!というラグビー協会さんの熱い気持ちに、課や事務局のみんなが共感し、官民協働で進めれているのを感じています。
モリナガ:
確かに、県庁内なのに、皆様の会話が多いですよね!そういえば最近になって「国際スポーツ大会」という言葉を聞く機会が急に増えてきている気がします。部署自体は、結構前からあったのですか?
田島さん:
部署としてできたのは県・市が合同で作ったのが去年度でして、実際に組織化して動き始めたのは去年度からになります。
特にラグビーに関しては今年の6月にテストマッチという形で国際試合を開催したので、新聞テレビでよく取り上げて頂きました。その影響もあって耳にする機会は増えたのではないかと思ういます。
モリナガ:
テストマッチを行うにあたって本番を想定してどのような取組みをされましたか?
田島さん:
交通輸送の面につきましては場所が離れているのでいろいろな公共交通機関を使ってきていただくという取組みを実験的にさせていただきました。自家用車で来ることによる混雑や事故を回避出来たらと言うことから取り組み、反省点もありましたが、概ねこの方向で本番もこのまま進めていこうという判断もできた良い経験でした。
写真提供/熊本県ラグビーフットボール協会
写真提供/熊本県ラグビーフットボール協会
写真提供/熊本県ラグビーフットボール協会
モリナガ:
具体的に反省点とはどのようなものがありましたか?
田島さん:
長くバスを待っていただく場面があったのは反省点です。また、本番に向けては、これまでより更にわかりやすい表示、バスの乗り方になどの案内も気を使っていく必要があると感じています。また、タクシー利用の方が想定よりも多かったのは、本番に向けての良い経験でした。試合観戦の為に飛行機でいらっしゃって、試合が終わったらそのまま飛行機で帰るという方がいらっしゃったのですが、その想定は出来ておらず、試合が終わったら街中に繰り出していただこうと思い、街中方面への交通の準備を充実させていたこともあり、タクシーが不足してしまいました。
モリナガ:
確かに、印象としては、試合を見て、熊本市内に遊びに行く方が多そうですもんね。チケットの販売などに関してはいかがでしたか?
田島さん:
試合のチケットに関してですが、本番はオンラインで買う形しかできないと聞いています。どうしても、チケットというと実券を買うという感覚が強いのですが、コンビニで買うという方法を普及させていくために実験的に案内をしましたが、なかなか定着せず難しさを感じています。今回のテストマッチは2ケ月前からの販売開始だったのですが、チケットの売り出しが早まることで、皆様に知っていただく時間を長く取ることが必要と考えております。
菊池さん:
ラグビー協会さんと一緒に動いて広報活動・チケット販売を行えたことは、とてもよかった点です。お互いで協働して大会を盛り上げていく関係性を更に築いていくことが大切なことだと感じています。ラグビー精神「one for all all for one」に基づいて、みんなでするという気持ちをもっていただいます。「自治体出来ないことは自分たちがカバーする」という熱い思いが伝わってきて、「僕らももっと頑張らなきゃ!」と思わされます。
写真提供/熊本県ラグビーフットボール協会
モリナガ:
それは嬉しいですね。ラグビーワールドカップの誘致自体もラグビー協会さんが先行して動かれていたとは聞いたことがありますが…。
田島さん:
当事務局が組織される前の話ですが、熊本県内のラグビー協会・ラグビー愛好家の方々がぜひ誘致したいという強い思いを持たれて流れを作っていかれたと聞いています。最初にきっかけを作ったのはラグビー協会さんの「熊本にラグビーを普及させていくんだ!」という熱い思いだと。熊本はどちらかというと普及の度合いは例えば関西方面と比べれば低いのですが、今回をきっかけにラグビーを楽しむ子供たち、それを応援する方たちを増やしていきたいと思っています。
モリナガ:
こういう機会をきっかけに生で触れることが大事ですよね。僕も、小さな時に熊本でプロ野球があるのに連れて行って貰ってしばらくはプロ野球選手になるのが夢でした!
菊池さん:
これまでラグビーをみたことがなかった方、ルールすらわからなかった方がテストマッチに来て頂き、面白かった!と言っていただいたのは嬉しかったですね!テレビでみてるだけでは分からない、人と人がぶつかる音や熱気を肌で感じて頂く機会は本当に貴重です。
写真提供/熊本県ラグビーフットボール協会
写真提供/熊本県ラグビーフットボール協会
写真提供/熊本県ラグビーフットボール協会
菊池さん:
テストマッチの際には、マイケル・リーチさんが、「これまで試合をしている中で熊本の芝が一番良かった」と言っていただいたのは本当に嬉しかったですね!そして、そこにいる徳永さんが芝のこと、しっかりされてたんですね。試合の前とか、何回もスタジアムを行ったり来たりしながら遅くまで準備をされてきて。試合が終わってから、テレビでああいう風に言われると、嬉しいねって。そんなことがありましたので、ハンドボールの方も熊本良かったねっていってもらえるようにしていかないとと思っています。
芝の整備を担当していた徳永さん。
モリナガ:
世界的な選手に芝を褒められるって凄いですね!!
徳永さん:
いい環境でプレーされてきている選手の方々ですから、その方々に褒められたのは本当に嬉しいですね!スタジアムの方々の手入れが行き届いていたというのも大きいと思います。やっぱり、せっかく来て頂きプレーしていただくので、環境を整えるのは最低限必要なことですからね。
とてもステキな笑顔の徳永さん。とっても謙遜されつつ、誇りを持って働いていらっしゃるのが、「なんだかいいなー」と思わされました。
写真提供/©JR2019(Photo by H.Nagaoka)
リーチ マイケル(Michael Leitch、1988年10月7日 – )
ニュージーランドクライストチャーチ出身のラグビー選手。2012年に日本人女性と結婚。翌2013年には日本に帰化し、現在は日本国籍を保有している。父はニュージーランド出身でスコットランド系白人、母はフィジー出身。
* ポジションはナンバーエイト(No8)、フランカー(FL)。
* 身長 190cm、体重 105kg
* 日本代表キャップは50。(2017年6月現在)
* ニックネームはReach。
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