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人吉球磨探訪記① ヒストリアテラス五木谷 熊本市内からわずか90分!清流が生まれる五木谷

五木村と聞くだけで、果てしなく遠いイメージをお持ちの方も少なくはないでしょう。
30年ほど前、会社員だった私は、年に数回人吉球磨方面をめぐる仕事がありました。
人吉から国道219号線を湯前、水上へ北上する経路と国道445号線を相良村経由で五木村に至る経路があることぐらいは皆さんご存知ではないでしょうか。

人吉球磨地域は、かなり広いのですが、どうしてもひとつのエリアで考えてしまいますので、私にとっての「五木村」は、一旦人吉に行って、そこからさらに奥に進むイメージでした。1989年には人吉まで高速道路が開通しました。高速道路には何度も乗っているはずなのですが、八代から球磨川沿いの219号線で人吉を目指していた印象も強く、そのことが五木は遠いとのイメージを自分の中で固定してしまったのかもしれません。

約30年前の記憶は鮮明ではありません。人吉市内からずいぶん走ったような気がします。初めて訪れた五木村は、渓谷の底には歯抜けのように住宅が点在し、空き地や住んでいない家も多かったような。なぜか小さな郵便局のたたずまいを鮮明に覚えていますが、それが本当に郵便局だったのか、今となっては自信がありません。

改めて地図を見れば、なるほど五木村は宮原からはさほど距離はなく、多少蛇行登攀しますが、熊本市内からは宮原経由・・・。先ほどからミヤハラって言ってますが、正確には八代市氷川町宮原です。国道3号線を南下して氷川を渡り左折して国道443号線へ、石匠館がある東陽町を通って、五木村を目指します。

なんだろう、この“ムラ”という響きの良さ。ワクワクしながら徐々に山間(やまあい)に入っていきます。標高も若干高くなり見晴らしもよくなってきたところでループ橋、そしてついにトンネル。大通峠(おどおりとうげ)を抜けると五木村に入ります。
車窓から流れ込む明らかに下界とは違う空気感。どこか車を止めて深呼吸、と思ったところに「白滝自然公園」の看板。事前情報全くなし。ただの好奇心で寄ってみました。

長い年月をかけて清流によって砕かれてきた岩が川岸に砂浜を成しています。
天草出身の私としては、砂浜は海岸のものとしか理解できてませんが、見上げる岩山を水が砕き続けてきた長い年月を美しい水を手ですくいながらしばし考えるのでした。
キャンプしている親子もいます。鍾乳洞もあります。時間的余裕を作って、今度はのんびり過ごしに来ます。

[facility_link “白滝自然公園”]

 

今年も日本一となった清流、川辺川。それをまたぐ大きな地頭大橋を渡ると五木村の中心部に到着です。が、ちょっと寄り道。川のほうへ降りていきました。

ここじゃないと吸えない空気がありました。気持ち良く深呼吸できます。贅沢な風が吹いていました。

ん?あっちの橋の中央に見えるのは・・・。

たぶんバンジーですね。
苦手なので近づかないようにします。

あとで飛んでる人を目撃しました。

地頭大橋を渡るとすぐに大きな屋根の雰囲気満点なお土産屋さんがありました。

五木名物のひとつ「山うに豆腐」が大量に売ってあります。こんなに種類があるとは知りませんでした。

自分用に買ったのは一年間味噌樽の底でその日を待つことから名づけられた「まちかね」。日本酒だろうが焼酎だろうがイチコロです。

お昼に五瀬うどんをいただきました。なんだかふわっとした柔らかい触感は伊勢うどんみたいだなぁ、思っていたら、やっぱり伊勢からうどんをもってきて、五木の新しい名物にしてるみたいです。おいしい出汁が絡むもちもち麺。というか独特のブヨブヨした感じにさらに甘辛の肉もちょうどよい感じです。もう少し食べたかった。という印象です。

さて、腹も満たされたところで近くにオープンしたヒストリアテラス五木谷を目指します。といってもすぐ近くです。

たぶん鳥居をモチーフにしたと思われる独特の”門”を潜り抜け館内へ。提灯も含め、丁寧な作りが感じられ、個人的にはよい印象です。

子ども向けの書籍もおかれ、年齢問わずくつろげるスペースが用意されている。

木で作られた遊具は子どもたちに優しく接してくれます。

許可をいただいて撮影させていただきました。

受付を済ませ、奥へと進むと林を思わせる木が配置されたエントランスを抜け。
正面に五木の暮らしを支えてきた道具たちが施設の中央に陣取ります。

 

アクリルで密閉され永遠の時を得た鮎

昆虫の巣類はかなり豊富。清流に棲む魚たち、昆虫などに標本がずらりと並びます。

山とともにある暮らしを紹介するコーナー

縄文の時代から続く暮らし。

洗練されたデザインの商品。このTシャツなんか北欧の木こりが着てそうでしょう。

 

副館長の福原さんに少しだけお話を聞きました。

私:地域を紹介する「民俗資料館」というのが各地存在しますが、その類と思っていいですか?
福原:基本的な部分は間違っていないと思いますが、五木谷の自然とともに営まれてきた「暮らし」と「今」を紹介し、そして「未来」へ託す思いを感じていただければと思います。
私:洗練されたパッケージデザインの品が並ぶショップと五木の旬を味わえる「キナイカフェ」これが今の姿、そして子供たちのためのスペースがあったのは、未来を意味していると?
福原:そういうことですね。
五木の暮らしは日本の原点であるとのコンセプトで作られた施設です。たくさんの方にぜひ来館いただき、ここ五木で日本を再認識していただければと思います。
[facility_link “ヒストリアテラス五木谷”]

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キュレーター紹介

iwami

1964年天草生まれ、2016年まで天草宝島観光協会の事務局長を務め、地元はもとより各地奔走。おでんと日本酒をこよなく愛する自称ナイスミドル。

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