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ノハラ

熊本城を訪ねて vol.01 熊本地震後1年を迎えた「くまもとよかとこ案内人の会」

今こそ熊本城 外回り60分コース(2)


二の丸広場を進むと、開けた場所に崩れた石垣が石のひとつひとつに番号を振られた状態で並べられ、近くには裏込石が積まれていました。
「熊本城の大天守は2019年、小天守は2021年には復旧予定とされていますが、石垣を全て修復するのにとても時間がかかるそうです。石垣の1割が崩壊、1割が膨らみ、1割が緩んでいて、全体の3割の石垣に修復が必要で、熊本市は地震前の状態に戻すのは20年かかると言っています」
石垣は文化財として丁寧な復元に取り組むのでどうしても時間がかかるそうです。
崩れた石垣の積み直しは、要はジグソーパズルのようなものなので、現在そのジグソーパズルを早く解くソフトを熊本大学がつくっているのだとか。
うまくいけば工期が短くなるかもしれませんね。


国指定重要文化財の宇土櫓(1601~07年建築)。地震後も外観を保ちました。


加藤清正公が祀られている加藤神社。
加藤清正公は地元から「せいしょこさん」と呼ばれて親しまれ、加藤神社では、毎年7月の第4日曜日に「清正公(セイショコ)まつり」も行われています。
現在はここ加藤神社の境内が天守閣を一番近づいて見ることができるビュースポット。


熊本城の天守閣をご案内。これまでの歴史と熊本地震による被害状況、これからの復旧の道のり、今だからこそ見てほしい熊本城を様々な角度から伝えていきます。

今後の復旧工事では、ゴールデンウィーク明けには大天守の最上階から徐々にシートで覆われ、7月頃には大天守のほぼ全体が覆われる予定となっています。
ですが、網目が大きいメッシュシートを使うことで、この期間しか見ることのできない復興に向かう天守閣を見られるようにするそうです。

その時にしか見ることができない熊本城

今こそ熊本城 外回り60分コースの終着点、二の丸広場に戻って来て解散です。
「復旧が進んだら、また来てください」

「20年たったらもう生きとらんわ〜」いかにも関西風の答えが帰ってきます(笑)。

「大天守や小天守は、もっと早くに完成しますから、そういった区切り区切りに来ていただければうれしいです」と村田さん。

最後は笑顔でお客さんを見送ります。
その笑顔には復興に向かってのガイドの強い気持ちがこもっているのだと思います。

大天守は2019年、小天守は2021年に復旧が予定されています。
きっと毎月のように復旧中の熊本城の姿は変化していくのだと思います。
その間に、その時にしか見ることができない熊本城をくまもとよかとこ案内人と巡ってみてはいかがでしょうか。

 

|付録 |くまもとよかとこ案内人の会代表吉村徹夫氏に聞く

くまもとよかとこ案内人の会のこれまでの活動とこれからについて、代表の吉村徹夫氏に伺いました。
(2017年4月27日)

ー会の発足のきっかけと現在の活動範囲は?

「そもそもは平成10年に修学旅行向けの水前寺の案内からはじまったものが、市内全域を対象にするように広がりました。熊本城を含め、熊本市内の史跡・観光文化27施設のご案内ができます。ご案内コースの例はホームページにも掲載しています」

ー熊本地震後、熊本城ではどういった活動をされていたのですか?

「最初はガイドができるかどうかわからないという状況でしたし、ガイドとしては傷んだ熊本城を案内したくないという気持ちもありました。しかし、熊本復興は「皆さんに来ていただくことからはじまる」と考え、地震から2ヶ月で立ち上がり、城彩苑の常駐ガイドを再開しました。復興支援で熊本に来て頂いていた方々の中には、熊本城に足を運んで観光をしてくださる方も多かったのですが、そういった方々に熊本城についてお伝えすることで、その方々からまた多くの人たちに熊本のことを伝えていただけたのではないかと思っています」

ー今後の熊本城のガイドは?

「5月の後半には、熊本城の天守閣にシートがかかる予定です。熊本城を案内する上で、どうしても難易度があがってしまいますが、それと入れ替わるようにと言えば良いんでしょうか、「ガイド+語り部」といった形の新たなご案内ができるようになります。今後も復興に関わる全ての人たちと連携し、感謝の気持ちを込めて「チーム復興熊本城」を掲げて活動していきます」

くまもとよかとこ案内人の会について
◎会員数70名(2016年のガイド利用者は6万人超)
◎外国語対応も可能(英語・中国語・韓国語)
◎予約ガイド(熊本城・他)
*ガイドひとりあたり2,000円(交通費として)
*ガイドひとりにつき、15名までを案内できる
*FAX、メール等で申し込み
*コースはくまもとよかとこ案内人の会ホームページをご確認ください
[くまもとよかとこ案内人の会ホームページ]
◎常駐ボランティアガイド(熊本城「城彩苑」)
熊本城隣接の観光施設「城彩苑」には、9:00〜15:00にガイドが常駐
ガイドは個人客(8名まで)を無料で案内します(1時間程度)
但し、ガイドが案内中で不在の場合は、待つ必要があるため、確実にガイドを受けたい方は予約ガイドの手配をお勧めします
*詳しくは城彩苑ホームページをご確認ください
[城彩苑ホームページ]


ガイドが持つ資料ファイルは各自でつくったオリジナル。(すごい!)

[facility_link “くまもとよかとこ案内人の会”]

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キュレーター紹介

ノハラ

千葉県生まれ。縁もゆかりもなかった天草の離島・御所浦に、学生時分に縁ができ、数年前から島住まいです。 趣味は和船、櫓漕ぎなど。お刺身をはじめとした魚料理が好きで「おいしい魚を食べ続けられるように」というのがここ最近の気持ち。

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