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【やつしろぷれす切り抜き】八代の春を告げる「お雛祭り」を楽しもう!〈前編〉

八代城主・松井家に代々受け継がれる貴重な雛人形や雛道具を通して、武家の婚礼や江戸時代の文化に触れる。「やつしろのお雛祭り」開催中!

やつしろのお雛祭り

こんにちは。 やつしろぷれす編集部のさびろんです。
立春も過ぎたら、八代には春を告げる「やつしろのお雛祭り」が始まりました♪
今回は、「やつしろのお雛祭り」をご紹介しますので、ぜひ、足を運んでみてくださいね。

八代には語り継ぎたい雛がある

細川家の筆頭家老で八代城主の松井家に、代々受け継がれている雛人形や雛道具の数々。

そこから垣間見られる松井家の暮らしや日本文化の歴史を紐解いていきます。

今回は、八代市立博物館・未来の森ミュージアム学芸員の山﨑摂さんにお話しを伺いました。

八代市立博物館 未来の森ミュージアム 学芸員山﨑摂さん

★山﨑摂さんプロフィール★

佐世保市生まれ。松井文庫の能面・能装束、雛人形、婚礼調度品などの調査・展示に携わる。

博物館の展示会図解「武家の婚礼ー八代・松井家のお嫁入りー」を編集。Facebook「文化発信!八代Style」で八代の歴史や文化を発信中。

2月22日(土)には「やつしろのお雛祭り特別講座その2」として「八代城主松井家のお姫様たちの『源氏物語』の楽しみ方」と題して、貴重な講座も開催。(お祭りでんでん館・会議棟にて)

八代に咲き誇る江戸時代の文化
気品溢れる”雛”に見る松井家の栄華

元禄元年(1688)、八代城主松井直之が、母崇芳院のために気付いた茶庭として知られる「松浜軒」。

2月8日(土)~3月3日(月)に開催される【やつしろのお雛祭り】でぜひ見てほしいのが、松浜軒に展示されるお雛祭りです。

今に受け継がれる美術品や婚礼、祝い事の際に送られたり、買い求められたりした品々の中で、この時季だけお目見えするのが、松井家10代目章之(てるゆき)が妻琴姫に贈ったとされるお雛様です。

江戸を離れ八代に嫁いだ琴姫への想いに触れる

琴姫は、熊本藩主細川家の初代幽斎の息子興元を初代とする茂木細川家のお姫様。天保9年(1838)に、遠く江戸から章之のもとに嫁いできたのは26歳の頃でした。

当時としては遅い結婚でしたが、婚礼に至るまでの両家の書状のやり取りからは、細川藩主の勧める縁談を断れなかったとも窺えます。

輿入れから半年後の天保10年(1839)3月に、章之が琴姫に京都から取り寄せたお雛様が5組。現在も松井家に受け継がれています。

この数からも、はるばる江戸から嫁いで来た琴姫への気遣い、想いの深さが想像できます。

一方で、細川家ゆかりの姫を大切にしているアピールとも見て取れます。琴姫に贈られた古今雛は、優しい楚々としたお顔立ちが特徴。

煌びやかな冠や紅色と若草色の重ね衣の色合いなども、当時都ではやっていたものだったのではないでしょうか。

また、翌年産まれた長女・加屋姫に贈った雛人形も、琴姫と同じ京都から取り寄せたものが3組もあることが分かっています。

子の健やかな成長を願う いつの世も変わらぬ親の想い

妻や娘たちのために京都から取り寄せた立派な雛人形と雛飾りの数々。そこには、城主といえど子や孫の健やかな成長を願う優しい親の顔が見えてきます。

今回展示される、琴姫、加屋姫、そしてやや古い享保の雛人形。それぞれの表情や衣の違いなどをみくらべてみるのも楽しいですし、輿入れからの年月の移ろいを感じつつ、その時代背景や当時の女性の一生について考えてみるのもいいかもしれません。

◇松井家に伝わる≪琴姫物語≫

八代に居ながら日本文化を愛でる城下の人々に雛飾りを披露

古今雛 貞操院(松井章之夫人・琴)所用 天保10年(1839) 松井文庫所蔵

古今雛 貞寿院(松井章之娘・加屋)所用 天保11年(1840) 松井文庫所蔵

享保雛 江戸時代中期(18世紀) 松井文庫所蔵

松井家に受け継がれる雛祭り今の時代も雛祭の時季に一般展示され見ることができますが、江戸時代にも八代城内に雛を飾り、城下の人々に披露されていた記録が残っています

当時の人々は、八代に居ながらにしてその時代の最先端の日本文化を楽しむことができたのです。

大正14年(1925)、松井明之の長女薫子の初節句を祝って、松浜軒の大広間に飾られたもの

気品あふれる人形の美しさはさることながら、雛人形を一緒に飾られる婚礼道具をミニチュア化し緻密な細工を施した雛道具をぜひじっくりと見てほしいところです。

犬張子

2体がついになった犬張子。結婚や祝い事の際に贈られたものですが、魔除けの意味合いもあったよう。この大きさの犬張子はなかなかお目にかかれないものだとか。

よく見てみると、阿吽の表情になっているのもチェックしてみてくださいね。

小さなお子様を持つママは必見!松浜軒では”児宮(ちごのみや)”にも参るべし

松浜軒内には、児宮(ちごのみや)という小さな神社があります。

天明元年(1781)、松井家7代目営之(ためゆき)が最初の妻をお産で亡くすだけでなく、亡くなる子の多さから、子の守り神として建てた神社。当時は八代城内にあったそうです。

現在、児宮の裏には無患子(むくろじ)の木がそびえ立っています。魔を祓う羽子板の黒い羽根の玉が無患子の実。子を守る神社に、あえてこの木を植えたのかは、今は知る人もありません。

無患子ストラップ(1個300円)。「子どもに患いが無い」ことを願って作られています。

 

さて、前編はここまでです。後編では、「やつしろのお雛祭り」をもっともっと楽しめる情報をお届けしますよ(≧◇≦)今しばらくお待ちくださいね!

やつしろの雛祭り」★只今開催中!~3月3日(月)

★山﨑摂さんによる「やつしろのお雛祭り特別講座その2」インフォメーション

タイトル:「八代城主松井家のお姫様たちの『源氏物語』の楽しみ方」
日時:令和7年2月22日(土)14時~16時
会場:お祭りでんでん館 会議棟
参加費:無料定員:50名
参加お申し込み先:0965-37-8005(城下町「やつしろ」のお雛祭り実行委員会事務局)

店舗情報

松浜軒

TEL
0965-33-0171
営業時間
午前9時~午後5時(入園は午後4時30分まで) 閉園日:月曜日(祝日の場合は翌日) 観覧料:一般 500円(30人以上の団体1人につき450円) 小中学生 250円(30人以上の団体1人につき225円)
ホームページ
https://higo-shohinken.jp/
住所
〒866-0865 熊本県八代市北の丸町3−15

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八代のフリーペーパー「やつしろぷれす」編集長&メンバー4700人のFacebookグループ「八代の美味しいランチの店」管理人のさびろんです。ディープな八代の魅力をご紹介します。

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