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【やつしろぷれす切り抜き】八代城主 松井家の名品ギャラリー 〜お宝に隠された物語〜

今回の話題は、旧八代城主「松井家」の貴重なお宝について。国指定名勝「松浜軒」にて展示されている“お宝”に伝わる物語をご紹介している『やつしろぷれす』の人気コーナー『松井家の名品ギャラリー 〜お宝に隠された物語〜』。三代将軍家光から贈られた陣羽織や千利休自刃直前の手紙など、驚くべき品々が登場。歴史好きでなくても魅了されること間違いありません!

目次

 

おるとくまもとをご覧のみなさま、こんにちは!

八代市を中心に発行しているフリーペーパー『やつしろぷれす』スタッフのつぼです。

 

さて、細川家の筆頭家老で八代城主を務めた「松井家」についてはご存知でしょうか?

 

文化芸術に秀でたお殿様 松井家

松井家は、細川家とともに足利幕府に仕え、松井康之が細川藤孝の養女を妻として所領を給されて以後、代々細川家に仕えました。

 

正保2年(16455月に細川立孝が、さらに同年12月に忠興(三斎)が亡くなると、翌35月、細川家の筆頭家老を勤める松井興長が八代城を預かることになり、8月に城主の格をもって入城することになりました。

 

以後松井家は10代、220年にわたって八代城にあって、八代城下町とその周辺を支配する「八代の殿様」となりました。

 

細川家とともに文化芸術に秀でた家柄で、康之は千利休の高弟で茶道に造詣が深く、以降代々現在に至るまで肥後古流ひごこりゅうの茶道や金春流こんぱるりゅうの能を伝えています

 

現在の松井邸は国指定名勝「松浜軒しょうひんけん」として知られています。

(八代市立博物館未来の森ミュージアム 松井文庫概略参照)

 

 

やつしろぷれすでは、そんな旧八代城主松井家伝来の“お宝”について少しずつ掲載してきました。

今回はその一部をご紹介します!

歴史好きの方でなくても、教科書で目にしたことのある人物が登場しますよ!

ぜひご覧くださいね♪

 

松井家の名品ギャラリー

File.01  “三代将軍徳川家光が、その場で脱いで興長へ与えた陣羽織”

【緋黒羅紗段替陣羽織】

素材は羅紗らしゃ当時日本では手に入らない超高級毛織物で赤と黒の帯状の部分は細かく接いであり、葵の紋は金糸の刺繍。

 

江戸城の築城工事に各地の大名たちが携わる中、興長の手際のよい働きぶりに感心した家光が、褒美として自ら着用していた陣羽織を与えました。

 

【松井興長像 霊叟玄承賛】

二代興長の三回忌に、その陣羽織を着た姿を息子の寄之が絵師に描かせました。背後の兜は、初代康之が豊臣秀吉から拝領したもの。

 

松井家にとって誉の品を可視化しようとする意図をもって制作された画像といえます。

 

File.02 “千利休、絶筆。自刃二週間前に書かれた松井康之への礼状”

【消息 千利休筆 天正十九年二月十四日付 松井康之宛】

〈文意〉わざわざの飛脚、大変ありがとうございます。富田知信殿と拓植与一殿を使者に、堺に下るようにと、秀吉様から命じられたので、にわかに昨夜、出立しました。淀まで細川忠興様と古田織部様が見送りに来られたのを船着場で見つけ、驚きました。感謝の旨をお二人にお伝えください。恐惶謹言。

茶人として有名な千利休(1522〜1591)は、織田信長や豊臣秀吉に仕え、わび茶の完成者として一世を風靡しますが、最後は秀吉により切腹を命じられます。

 

この手紙は、利休が松井康之(のちに八代城主となる松井家の初代)にあてたもので、切腹する2月28日の二週間前に書かれたものです。

 

利休には多くの弟子がいましたが、秀吉の勘気に触れることを恐れ、京を追放される利休を淀の船着き場で見送ったのは、細川忠興と古田織部の二人だけでした。

 

この手紙には、見送りの叶わなかった康之が利休へ飛脚を送り見舞いの書状を届けたことへのお礼と共に、見送りに来ていた忠興と織部の姿を見つけ驚いたこと、有難かったことを伝えてほしい旨が記されている大変貴重な手紙です。

 

File.03 “数少ない、武蔵直筆の書として有名な作品”

【一行書 宮本武蔵筆】

朱文額印「二天」 署名「道楽」
紙本墨書 掛幅装
縦121.6cm/横25.6cm
江戸時代(17世紀)
出典:「もののふの美と心 八代城主・松井家の刀剣と刀装具」
写真:「肥後松井家の名品」

 

「戦気」と大書した下に「寒流帯月澄如鏡(寒流月を帯びて澄めること鏡の如し)」と記されています。

 

中唐の詩人、白居易(772〜846)の江楼宴别「寒流帯月澄如鏡、夕吹和霜利似刀」より引いたもので、その意味は「寒々とした長江の流れに月の光がさして鏡のようであり、夕べに吹く風は霜気と和してその鋭さは刀のようだ」というのであるが、『和漢朗詠集』などによって古くから日本人に愛されてきた詩句です。

 

鏡のような水面は、戦いに臨んだ兵法者が持すべき、不動の心の象徴であろうか。「戦気」については今のところ出典を見出すことができず、武蔵の造語の可能性が高いと言われています。いずれにしろ晩年の武蔵の、剣の境地を記したものと思われる。

(八代市立博物館 未来の森ミュージアム)

 

松井文庫

松井文庫(一般財団法人)は、旧八代城主松井家伝来の古文書並びに絵画書蹟・陶磁器・武器武具・能関係品等の美術工芸品を保存・公開するとともに、これらに関する調査研究を行い、文化財の保護を図り、もって文化の発展に寄与するため昭和59年2月21日設立されました(同年6月博物館相当施設指定、翌60年登録博物館認可)。事務局・展示施設は、国指定名勝「松浜軒」(正式指定名称「旧熊本藩八代城主浜御茶屋庭園」)内にあり、年間を通じて常設展示を行なっています。

 

やつしろぷれすでは、今回ご紹介したものの他にも松井家の名品をご紹介しています。

WEBでバックナンバーもご覧いただけます。

松井家の名品ギャラリー 〜お宝に隠された物語〜

そして、名品たちをその目で見に八代にお越しください (^ ^)

 

松浜軒長塀修復プロジェクト

松浜軒については、グローカルCF広報室さんの記事『 【肥後花菖蒲の名所】八代の旅で訪れたい!「松浜軒」の四季折々の花が咲き誇る庭園で癒しのひと時』でも紹介されています!

 

また、この美しい姿を後世へ伝えるために「松浜軒長塀修復プロジェクト」を立ち上げてクラウドファンディングに挑戦されていますので、興味を持たれた方はぜひそちらもご協力いただければ幸いです。

店舗情報

国指定名勝 松浜軒

TEL
0965-33-0171
営業時間
9:00〜17:00(入館は16:30まで) 入園料(※カッコ内は30名以上の団体料金)/一般:500円(450円)、小中学生:250円(225円) 休館日/毎週月曜日(祝日の場合は翌日)、お盆(8/13〜15)、年末年始(12/29~1/3)
住所
〒866-0865 熊本県八代市北の丸町3-15

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八代のフリーペーパー「やつしろぷれす」スタッフ。趣味は楽器を弾くこと。音楽と犬とゆるキャラが好き。

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