明治時代のタブレットを触りに人吉へGO!!案内してくれるのは元鉄道マン!”鉄分”多めのトークについてこれますか?
令和2年の豪雨災害で流された球磨川第二橋梁の一部が初公開!鉄ちゃん垂涎のアイテムが目の前に...さわれると聞いて人吉にGO!”タブレット”ってなに?語られる鉄道発展の歴史。....今回の「かのん」は鉄分多め。おすすめのほのぼの鉄道グッズもご紹介!
壊れた鉄橋の一部を初公開!
人吉復興ビジターセンター『COCOKara(ここから)』で、JR肥薩線の魅力を再発見できる企画展が、10月31日まで開催中です。
人吉復興ビジターセンターは、旅館『清流山水花あゆの里』の目の前、肥後銀行人吉支店の1階にあります。
「私たちは鉄道観光案内人会のガイドなんです。交替で、毎日9:00~12:00、13:00~16:00に説明しますよ」
と語るのは、『ログカフェ市房の風』のマスター、尾方真一さん(下写真左)。
実は、ディーゼル時代から運転士ひと筋だったJRの元職員です。
そう、案内人の皆さんは、かつての駅長・車掌・運転士・保線区担当など、
鉄道を知り尽くしたスペシャリスト集団なのです!
【岡本さん】
「この床の上にあるもの、何だと思いますか?」
【かのん】
ピンク色の鉄製の棒? 片方が平べったい…。何かの部品ですか?
【岡本さん】
「これは昨年7月の豪雨災害で壊れた球磨川第二橋梁の一部でターンバックルという物なんです!」
球磨川第二橋梁は、トラスという三角形の集合体による構造。部材の接合部に、回転自由なピン留めが使われている「ピン結合型トラス橋梁」です。
【岡本さん】
「百年以上前の明治41年に造られた当時のまま。ピントラスなんて、全国でも非常に珍しいんですよ!」
経済産業省の近代化産業遺産にも指定されていた橋ですが、昨年7月4日の豪雨で、流されてしまったのです。
【岡本さん】
「ニュースで知って、見に行きたいけど、通行止め。やっと一週間後に、案内人会のみんなで坂本駅まで行きましたよ。壊れた橋を見たら、もう、涙がにじんできて…」
右にある橋げたから落ちた球磨川第二橋梁が、奥に横たわっています。
JR九州さんとしては、廃棄するしかありません。
しかし、鉄道案内人の皆さんは、元JR職員として、それぞれ赤い鉄橋に思い入れがあります。
捨てるにしのびない……と、記念に少しだけ切って譲ってもらったものが、展示してあります。
人と比べると、鉄橋の大きさがわかりますね。
左側のグニャッと曲がった線路が、水の勢いのすごさを物語っています。
コロナ禍で観光客が減ったうえに、豪雨災害でJR肥薩線は運休。
【岡本さん】
「ガイド活動も休止で、みんなガックリ。しかし災害現場の写真を発表することで、JR肥薩線の重要性を思い出してもらえれば、と今回、展示会を企画しました」
展示会への思いを語る岡本さんの顔は、少し明るくなりました。
国鉄は明治時代から「タブレット」を使用?
タブレットって、スマホの大型みたいなアレじゃないんですよ。
下の写真の左側の金属板。
タブレットとは、通票閉塞式に使われていた独占通行証なんです。
革製のケースに入っていますが、出してさわらせてくれますよ!
「人吉駅~大畑(おこば)駅」と通行区間が表示されています。
大畑駅といえば、夏目友人帳の聖地でもあり、鉄道ファンにはループとスイッチバックを両方楽しめるスポットとして有名ですね。
ケースに入れても見える部分に、丸や三角、四角などの穴が開いていますが、区間によって穴の形が異なるそうです。
運転士がこのタブレットを持っているということは、その区間に他の列車はいないという証。
単線で、正面衝突を避けるための工夫なのです。
タブレットの使い方も面白いけど、その受け渡し方法がすごいんです!
【岡本さん】
「各駅停車なら手渡します。通貨列車などの場合、動いている列車から乗務員が手を伸ばして、タブレットを駅の受け取る柱にひっかけます。
そして次の区間のタブレットがひっかかっているから、それを取るんです」
は? 動く列車から手を出す( ゚Д゚)⁉
命がけじゃないですか!!!!!!
【岡本さん】
「いや、減速するから大丈夫です。それに、票授受機(受け取る機械の腕)も開発されました」
やっぱり危ないからなんじゃ?
鉄道って、物や人を安全に運ぶための、様々な工夫を積み重ねてきているんですね。
ビデオで旅気分! 鉄道ステーショナリーも販売中!
会場では、肥薩線の八代駅~人吉駅を機関車に乗っている気分になれるビデオがエンドレスで流れています。
もちろん、壊れてしまった球磨川第二橋梁だって渡れますよ!
また特産品や鉄道グッズも販売中。
JR肥薩線の観光列車いさぶろう・しんぺい号などのマスキングテープは、こんな柄です。
一筆箋(税込363円)の裏には、鉄道ウンチクが書かれています(柄は4種類)。
観光列車が多いことで有名なJR九州の、ほのぼのとしたシールは、税込132円。
11月以降はJR人吉駅構内『SL館』へ!
転轍機(てんてつき)など展示品は11月以降、JR人吉駅構内『SL館』にて展示される予定とのこと。
【岡本さん、尾方さん】
「実は球磨川第二橋梁のピントラスも譲っていただき、重機を頼んでSL館まで運んでもらいました。近代化産業遺産に指定された石造りの機関車庫もあります。ぜひ、いらしてください!!」
熊本県による「くまもと再発見の旅」や、人吉市による「人吉に泊って復興応援キャンペーン」などを使って、お得に人吉に来てくださいね!
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