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ノハラ

天草の生産者のみなさんありがとう!旬の食材おいしくいただきます!|第2回|晩柑農家の金子さんを訪ねて

こんにちは!5月も終わりに近づいてきましたね。「また長期連休を取りなよ」とゴールデンウィークの記憶が囁きかけてくるノハラです。

さて、「天草の生産者のみなさんありがとう!旬の食材おいしくいただきます!」シリーズは、天草の生産者を訪ね、生産者の方の取り組みと旬の食材をご紹介、そしておいしくいただいてしまうという、僕が楽しいばかりのつくりになっている、そんな記事です!

第1回では、漁師の原田さんを訪ね、旬のムラサキウニをおいしくいただいちゃいましたが、第2回では晩柑農家の金子さんを訪ね、旬の晩柑を取材させていただきます!
(前回記事で第2回はズッキーニと宣言しておりましたが、第3回がズッキーニになりました…。全国のズッキーニファンの方、申し訳ありません)
第1回記事はこちら。
[post_link “42711”]
前回の漁師の原田さんも天草市有明町大浦でしたが、なんと農家の金子さんも大浦なんです。原田さんの時とは別の人づてで紹介していただいたら同じ地区でした。おどろき。大浦地区すごいですね。(当然、原田さんと金子さんはお知り合い)


天草市有明町大浦地区


前回は大浦の海の景色でしたが、今度は山間のみかん畑。

まずは…晩柑ってなんですか?

「晩柑」について調べてみました。
「晩柑」という言葉自体は、イヨカンなどの晩生(収穫時期の遅い)の柑橘類を言います。
今回取材した金子さんの育てている「晩柑」は品種名としては「河内晩柑(かわちばんかん)」です。

「河内晩柑」は、その名にあるよう発祥は熊本県河内町(現熊本市)で、偶発実生(ぐうはつみしょう)で生まれたブンタン(ザボン・ボンタン)系の品種です。 河内で発見された晩生の柑橘だったので「河内晩柑」。
そのまんまの名前ですね。
(河内晩柑は産地ブランドで「美生柑(みしょうかん)」「ジューシーフルーツ」といった名前で売られるものもあります。天草のものだと「天草晩柑」という名前でも売られています)

◎偶発実生(ぐうはつみしょう)
自然に落ちた種から種子親を超える特性を持つ、偶然発見された品種のこと。

河内晩柑は、4月から開花して、翌年の8月や9月まで樹上に実をつけたままなので、実は冬を越すことになるのですが、寒さに弱く、露地栽培では、冬期も一定以上の気温でほとんど霜が降りな暖かな地域でないと栽培できません。
そういった生産に向く土地は限られていて、熊本県天草は、限られた栽培適地のひとつとなっています。

河内晩柑はグレープフルーツに似た見た目なので「和製グレープフルーツ」と呼ばれることもありますが、「グレープフルーツより酸味や苦味が少なく、スッキリした甘さのバランスが絶妙の知る人ぞ知る果実」といった感じだそうです。

(以上、全てインターネット上の情報からまとめてみました!)

晩柑農家 金子さん夫婦[天草市有明町大浦地区]


金子貞美さん[妻:昭和25年生まれ]、正寛さん[夫:昭和22年生まれ]

金子さんは夫婦で柑橘農家。
大浦地区の山間でミカン畑をしています。金子さんのお宅は戦前からの柑橘農家で正寛さんで柑橘農家としては3代目になるそうです。(戦前からの柑橘農家というのはあまり聞かない気がします)

平成15、16年に甘夏みかんから河内晩柑に転換。大浦地区の他の柑橘農家の多くはデコポンに転換しましたが、金子さんは河内晩柑を選んだそうです。
デコポンとの違いについて聞くと「晩柑の味は、ある程度糖度があれば、さっぱりした味が、水分があっていい」とのこと。

今は、晩柑を福岡方面等に出荷している他は、個人のお客さんからの注文販売を受けていらっしゃいます。
ちなみに、今期の晩柑はすでに予約でいっぱいとのことです。
(前回のウニもそうですが良いものはなかなか手に入れるのが大変!)


農作業用の軽トラックでミカン畑まで案内いただきました。


山間にミカン畑が広がります。


たわわに実った河内晩柑。


実がなったまま、花が咲く、晩生のミカンの特徴です。
ミカン畑に着いた時から晩柑の花のとっても良い香りがしていました。ミツバチも花の蜜に寄って盛んに飛び交っていて、いい感じ。

晩柑農家に聞いてみよう

農地に到着したところで、河内晩柑を育てる上でのご苦労や工夫をお二人にお聞きしました。
(前回同様、あまりまとまっていませんので、雰囲気をお楽しみください)

ー河内晩柑をする上で大変な点はどこですか。

「実が成っとるのに、新しくまた花が咲くでしょ。それだけ、子どもをふたりかかえているようなもので、それだけの栄養を補給せんと、やっぱり肥料は倍くらいやらんとですね」と正寛さん。また、河内晩柑は実が落ちやすいということもあるそうです。

ー収穫のタイミングはいつごろですか。

「花が咲いて、葉っぱが広がるのを待って収穫する」のが一番水分の具合が良いと正寛さん。
花が咲いた頃から夏まで収穫ができるのですが、時期によって実に含まれる水分が違ってくるそうで、葉が広がる前だと水分が多過ぎ、収穫の終わり頃の夏に近くとだいぶん水分が抜けたような感じになるそうです。

ー花が咲いたら農薬を振ると聞いていますが。

「花が咲いたら、その時に農薬をつかわないと黒点(ミカンの皮の外観の病気)がでる。でもやっぱり収穫する時は農薬を撒かない方が」と正寛さん。貞美さんが引き継ぎ「だから、無農薬みたいな感じ」。
確かに金子さんたちが収穫した河内晩柑には黒点があるものが見られます。枯れ枝からくる病気なのだそうです。
「(お客さんは)最初は綺麗なミカンと言わすけど、味が変わらんだったらそれで良いですってなる」と貞美さん。
「贈答品で人にやるには調子が悪いって言わすけど。でも不思議なもんで、これしかないっていうとそれでいいっていわれる。ほんと不思議よ」
「綺麗なのをつくろうと思うばってんか、やっぱり消毒はできんとです」と正寛さん。
貞美さんも「今消毒したらいいんですけど、今から収穫ですから、できない。なんかみんな(他の農家やお客さん)、そんな仕組みにかわってきたよね」と言います。
世の中のミカンニーズも、綺麗な見た目よりも安全安心に変わって来ているのかもしれませんね。

晩柑の収穫の様子

ではでは、晩柑収穫の様子をご紹介しますね。


収穫のタイミングを迎えた晩柑を探します。


いい感じの晩柑をハサミでちょきん。


まずは少し長めに枝のついた状態。


カゴに入れる時に、他の実を傷つけないよう、枝をパチンと綺麗に切り落とします。


ピンボケ写真でごめんなさい。


そんな感じで次々に収穫していきます。


樹上の高いところは3mくらいあるので、脚立も使いますよ。


この青い肩掛け袋が優れものなんです。
袋にミカンを溜めていき、いっぱいになったら…


コロンコロン。
袋の底が抜けているので、晩柑を簡単にミカンカゴに出すことができます。
ちょっと欲しくなりましたが、ミカンちぎり以外にはあまり使わなそうなので「ください」と言うのはがまん。


シーズンの時は1日に60ケースほど収穫するそうです。


金子さんの育てるミカンは、河内晩柑が主ですが、昨年から新しい品種にもはじめているそうです。
取り組んでいるのは、黄金柑、麗紅(れいこう)、チャンドラポメロといった、僕は聞いたことがなかった品種です。
まだまだ挑戦していくんですね!
「加工所もつくりたいけど、修学旅行の民泊受け入れも始めるので、毎日忙しい」と笑顔で話されているのが印象的でした。

晩柑の味をお伝え!

あ、味見したのをお伝えするの忘れてました!


正寛さんが、収穫したその場でむいてくれました。


その場で写真を撮り忘れましたので別撮りの写真ですが、とーってもジューシーでした!
なにしろ写真を撮りそびれたのは、果汁で手がべったりなったからという(笑)
苦味がなく、酸味も弱いのですが、すっきりとした甘みと香りがとてもさわやか。

そんな金子さんの生産した晩柑を使った加工品もいくつかありますのでご紹介します。


1件めは「食の天草にじ」さんです。晩柑の果汁でつくった様々な商品があります。
[facility_link “食の天草にじ”]


2件目は「天草酒造」さんから「晩柑リキュール」(写真右)。
食の天草にじさんが手搾りした晩柑の果汁と果肉がたっぷり60%も使われています。
[facility_link “天草酒造”]
金子さんの晩柑は、既に本年分は全て売約済みですが、加工品は WEB通販や天草に来られたときに手にいれることができますので、お試ししてみてはいかがでしょうか。

また、天草では「あまくさ晩柑フェア」もあります。こちらもチェックしてみてくださいね!
(2017年4月27日〜5月31日)
[external_link url=”http://www.t-island.jp/p/event/detail/1614″ title=”あまくさ晩柑フェア2017″]

>次ページ「旬のさわやかな晩柑をどうやって味わおう?」

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キュレーター紹介

ノハラ

千葉県生まれ。縁もゆかりもなかった天草の離島・御所浦に、学生時分に縁ができ、数年前から島住まいです。 趣味は和船、櫓漕ぎなど。お刺身をはじめとした魚料理が好きで「おいしい魚を食べ続けられるように」というのがここ最近の気持ち。

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