熊本の朝、ほっこり和のごはんと本の癒し空間『TSUBOI SOUP』(熊本市中央区)
熊本城、そして夏目漱石坪井旧居近くの川のほとりにひっそりと佇む「TSUBOI SOUP」。体に優しい和の朝食と熊本県産日本酒が楽しめる特別な朝を提供。その時々の地元食材を生かした「しあわせ10品朝御前」や、心温まる本との出会いが待っています。心地よい空間で、ゆっくりとした熊本の朝のひとときを過ごしてみませんか?
熊本で素敵な朝食を
冬のツンと冷たい朝がほっこり暖かい気持ちになれて、少しだけ1日の時間が長くなったように感じる。そんな朝にお邪魔したのは「TSUBOI SOUP」さん。
素敵な朝食をいただくことができる本と朝ごはんのお店だ。
今回、代表の本田明日生さんに開店の経緯などを伺うことができた。
熊本城のすぐそば、坪井川のほとり
熊本城の近くを流れる坪井川のほとりにそのお店はひっそりと佇んでいる。
散歩がてらに朝から熊本城沿いをゆっくり流れる坪井川沿いを歩きながらお店にたどり着いた。
TSUBOI SOUPさんがオープンしたのは2024年11月。
店舗は、グルテンフリーのカレーを提供している地域食堂Bond curryさんを間借りしている。
営業時間は、Bond curryさんがオープンする前の7:00から10:00まで。
本田さんがふと感じた
『熊本に朝ごはんのお店って少ないな』
『本屋さん、近くにできないかな』
という想いをBond curryのオーナーの遠藤さんに話したところ、
「だったら二つ一緒にしちゃえばいいじゃない」
の一言でスタートしたそう。
心落ち着く穏やかな空間
店内は中に入ってみると、どこか懐かしい、しかしながら新しい空気感もただよう。初めてきた気がしない心地良さ。
古民家に馴染んだおしゃれな家具や照明は、来店した人すべてにおかえりなさい、おつかれさまと言ってくれているような雰囲気と日本人ならだれもが慣れ親しんだ出汁の匂いがほのかに香る。
季節、地元食材をつかったカラダに優しい朝食
メニューは「しあわせ10品朝御膳」(税込1,800円)
とやわらかな笑顔とかろやかな声でご案内いただく本田さんの生まれは東京。
《まごはやさしい》の食材を取り入れ、熊本の食材にこだわったメニューで素材の良さを大切に作られている。
※まごはやさしい…まめ、ごま、わかめ、やさい、さかな、しいたけなどのキノコ類、いも類、を指す。
この日のメニューは、
- 湯豆腐となめたけのあんかけ
- 煮卵
- 玄米のおむすび(梅干し、ゴマ)
- みるく餅プリン
- ハマチのお刺身(しその醤油漬けを添えて)、
- ニンジンとシイタケと南関揚げの煮つけ
- 玄米のおむすび(昆布)
- 白菜の胡麻和え
- ジャガイモとひじきのコロッケ
- ハマチのあら汁
食材は、本田さんが市場で目利きして選んできたもの。
この日は、立派なハマチがあったので、お刺身とあら汁にしたそう。
おむすびの昆布もあら汁のだしに使ったもの。
最後まで食材を無駄にしないこだわりを感じる。
今回は、熊本地酒飲み比べセットもいただいた。
こんなじっくり朝ごはんに向き合うこともなかなかない。
お酒も嗜みながら、朝の素敵な時間を味わって、ゆっくり季節の味を楽しめる、そんな空間だ。
本を通して、人と人がつながる場所
本田さんに生まれ育った東京から熊本に引っ越したタイミングをうかがうと、東日本大震災のあと家族で移り住んだとのこと。
もともと料理人ではなかった彼女が飲食に携わったきっかけはご自身の経験から。
食べることの大切さやさまざまな生き方を尊重して人と人とがつながる場所を目指したいとの想いで日々お店を運営されている。
素敵な朝ごはんもさることながら、店内に並べられた文庫本には、本好きの私も魅了された。
あ、この本も、この本も、この本も。
読んだことのある本から、読んでみたかった本まで。
なんだか自分の理想の図書館が近くにあるように感じた。
当店には『ツナガルブンコ』という、本を通じて人と人とがやさしく繋がる交流の場を儲けた書籍スペースがある。
読まなくなった本や誰かに届けたい一冊を本棚に設置。新たな持ち主のもとに届けていく。また、本にはコメントなどを添えて本と人と人とを繋いでいく。ツナガルブンコは、TSUBOI SOUPさんのコンセプトの一つでもある。
店内の本も、本田さんが、好きな作家さんなどをあつめた色とりどりの本が並ぶ。
「この本棚が将来的には背表紙でいっぱいになってほしいんですよ」
と本田さん。
彼女が本好きになったきっかは遡ること学生時代。
「喜多川靖さん著者『秘密結社Ladybridと僕の6日間』が1番影響をうけた本ですね」
と語ってくださった。
本と食事を楽しむことには共通点がある。
読む人、食べる人それぞれの感性や感じ方が幾多にも存在し、別の誰かと共感しあうことができること。
そして、それはその時の思い出ともに記憶の片隅にそっと残る。
ちょうどお店の真裏には、夏目漱石の五番目の旧居もあることからこんな質問。
夏目漱石のファンもおとずれますか?
それがこの間、ひょっこりいらしたんですよ!と、きらきらの目で話す本田さんはさっそく漱石の文庫本を店内に並べたという。
海外のお客さんにも喜んでもらえる本を揃えている。
各国の素敵な言葉を綴ったこの一冊は、日頃メジャーではないが各国出身なら誰しも懐かしいと感じる一言が綴られた一冊だ。
本田さんは今日も、来店するお客さまが素敵な朝を迎えていただくために明るい笑顔と共に料理と本を提供している。
クラウドファンディングも応援を
障害の有無に関係無く誰もが楽しめる・働けるユニバーサルレストランを創りたい。
地域食堂 Bond curryさんでは、現在、障害や心に悩みを抱える方が職業訓練出来るレストランの実現に向けてクラウドファンディングを募っていらっしゃいます。
熊本の未来を変えるかもしれない取り組み。
応援いただけると嬉しいです。
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