【バター醤油サブレは手土産にぴったり!!】新鮮なミルクと県産の食材で乳菓子職人がつくるケーキたち。
小国ジャージー牛乳を用いた「なめらかプリン」、あまじょっぱい「バター醤油サブレ」等で有名な『乳菓子屋』。その幸せを生むお菓子たちは、地元の素材にこだわり、一つ一つ心を込めて創られています。店主の佐藤憲史郎さんは、地域に愛される店を築き、スタッフの“ちょっと嬉しい”を大切にし、さらなる成長と貢献を目指しています。お菓子、ケーキを通して世の中に幸せと夢、喜びを広める彼の姿勢に迫ります。
友達が手土産にくれた「バター醤油サブレ」。
何このほのかな塩味とバターとの香ばしいマリアージュは!?😍とオドロキの美味しさでした。
前かけをイメージしたパッケージもいい!
前掛けのヒモに見立てた紙ヒモが手提げになり、まさに手土産にぴったり。
あの小国ジャージー牛乳を使用したなめらかプリン(カラメル別添)で有名な『乳菓子屋』さんの焼き菓子だそうです。
もともと味噌天神電停前にあった小さな店だけど、今は熊本市中央区水前寺に移転。
駐車場は7台分あるけど、お客様がどんどん来られて、外観が撮影できないくらい。
さらに2022年には北区室園に北熊本店もオープン!
東区小峯には『お菓子の扉 私のガトーショコラ』もあり、拡大している注目のお店です。
早速、乳菓子屋株式会社代表取締役の佐藤憲史郎さんにインタビュー!
地元のフレッシュな素材を使った、幸せを生むお菓子たち
かのん(以下、か) ケンシロウさんって、もっとあたたた……って感じかと思ったら、おだやかな笑顔のパティシエでした。
佐藤さん(以下、佐) 僕の方が先に生まれているんですけどね(笑)
【か】一番人気のケーキは?
【佐】ミルクレープですかね。
【か】そうでしょうとも! 何ですか。あのフルーツフェスティバル💞は!?
【佐】熊本県産米粉を使ったもちもちのクレープ生地に、旬の県産フルーツと小国ジャージー牛乳100%の自家製カスタードクリームをたっぷり挟みました。お客様からご注文いただいてからカットするんですよ。
【か】一切れ目が注文されてから、カラメルをかけるんですね。そして切り立てをアルミホイルで包んで、美味しさお持ち帰り。
【佐】今は桃フェア中なので、桃ミルクレープ、ピーチショート、桃のタルトなどもありますよ。
【か】桃フェアはいつまで?
【佐】今日までです。
【か】えーーーーっ!?(※取材日は8月7日)
【佐】8月11日(金)~8月15日(火)までタルトフェア、8月18日(金)~8月21日(月)は阿蘇産ブルーベリーを使ったブルーベリーフェアと、旬の素材を使ったフェアを色々やりますので、乳菓子屋ホームページやインスタでチェックしてくださいね。インスタはホームページからも飛べます。
まるごとピーチは、おいしい桃がある限り続けます。完熟桃を前の日に自家製シロップに漬けてカスタードクリームを詰め、ゼリーをかけた夏の人気商品です。
【か】桃太郎さんになってクリームに溺れてみたいくらい、品のいい甘さのカスタードクリームですね。
「バター醤油サブレ」は老舗の絶品醤油が決め手!
【か】乳菓子屋さんと言えば、小国ジャージー牛乳を使った洋菓子のイメージがありますが、「バター醤油サブレ」を考案されたきっかけは?
【佐】常連さんのアドバイスで生まれた商品で、薄口醤油、濃口醤油、甘め、しょっぱめ等色々な醤油を検討した結果、私の故郷の阿蘇郡小国町にある七福醤油店さんの醤油を選びました。大正8年(1920年)に創業し、100年以上続く老舗なんです。筑後川の源流の湧水でつくる、九州らしい甘めの醤油ですね。
【か】七福醤油店さんといえば、「すべての肉好きにおくる。阿蘇の肉ソース」で「2019フード・アクション・ニッポン・アワードの入賞100品に入りましたよね。肉野菜炒めにかけるだけで、肉の旨みが一段と引き立ちました!
おおっ、空気清浄機にも七福醤油店さんの前かけが!
パッケージが前かけに見えて、味がありますね。手提げが前かけのヒモに見えるデザインもいいし、ちょっとしたお土産にぴったりですね。
【佐】このデザインにも凝りました。手提げのヒモは、小国町の障がい者就労支援施設に依頼しています。袋入りは個装5枚ですが、12枚、20枚など箱入りにもできますよ。
【か】あっ! このお菓子を仕事で使う人は出世する!?
【佐】いえ、断言はしていません。「出世してほしい!!」です。
【か】甘いだけではなく、ほんのり醤油の深い味わいなので、大人にも喜ばれますね。出世したい人はギフトにぜひ!
【か】佐藤さんは、故郷に対する愛情にあふれていますね。ご実家で栽培された小国米や、小国杉のエッセンシャルオイルなども販売されていますし。ケーキに合うレモン緑茶や苺ほうじ茶も置いてありますね。
【佐】お茶は益城町の『お茶の富澤。』さんにつくってもらっているんですよ。
小さな幸せを提供する「親孝行手当」とは?
【か】『乳菓子屋』さんでは初任給に親孝行手当が追加されるそうですが、どういうものなんですか?
【佐】初任給で親御さんにお礼をする話は聞きますが、特に男性は親にプレゼントなんて照れ臭いんですよ。だから会社が「親孝行手当」として支給します。「何をしたのか」、「親御さんの感想は?」など書いた報告書提出までがセットです。
【か】面と向かって、「社会人になるまで育ててくれて、ありがとう」と言うのは恥ずかしくても、「会社から言われて、仕方なくやっているんだからな!」というポーズが取れる、と。
親御さんも嬉しいでしょうね。「親孝行手当」を始められたきっかけは?
【佐】社員と共に成長していきたいので、スタッフの“ちょっと嬉しい”を積み重ねていきたいと思ったんです。小さい店なので、ボーン!と大きいことはできませんが……。新卒で入った社員の初任給に少しだけ上乗せしています。
本人も「やって良かった」と言っています。お母様から直接、お礼の電話を頂いたこともありますよ。
【か】ご家族にも“ちょっと嬉しい”を提供されていますね。
【佐】フルーツ手当もあるんですよ。新型コロナウィルスが流行し始めた頃、スタッフに「ビタミン摂取して、免疫力をアップしてほしい!」と、フルーツを買う手当を出したんです。
スタッフは「苺を数種類食べ比べた」、「高価なシャインマスカットが買えた」、「自宅でフルーツをカットする練習をした」など役立てているようです。
【か】“ちょっと嬉しい”し、新しい体験になったり技術の向上につながったりしますね。
【佐】お菓子づくりって、お客様に“ちょっと嬉しい😊”を提供することだと思うんですよ。
朝礼では「お菓子、ケーキを通じて世の中に幸せ、夢、喜びを私達が、自分達が創る」という理念を唱和しています。
【か】熊本商工会議所主催の「人を幸せにする経営大賞2019」小規模事業者部門で優秀賞を受賞されていますね。
【佐】スタッフに活躍してほしいんですよ。独立したい若い人を店長にして、将来は経営者になってほしいと思います。
地元に貢献し、地元に愛される店に
【か】『乳菓子屋』さんという店名からも、小国ジャージー牛乳への愛が伝わります。
【佐】僕はもともと料理人で、居酒屋やフレンチやイタリアンのレストランで働いていました。デザートは、コースの最後にお客様を笑顔にするものだと感じ、ケーキ職人になったんです。
小国町の実家そばに小国ジャージー牛乳の工場があり、新鮮な牛乳を飲んで育ちました。そこで友人の作る品質の良い小国ジャージー牛乳を活用しようと、2.5坪のプリン専門店『乳菓子屋』をスタートさせたんです。
その味噌天神の店に来られていた小学生が、今、大学生になって水前寺のお店に来てくださるんです。嬉しいですね。
【か】今ではプリン以外にも色々ありますね。タルトは堅さがちょうどいいし、スポンジもふわっふわです。
注文後にカスタードクリームを注入してくれるシュークリームは、賞味期限1時間なんですね。
【佐】シューのサクサク感を味わってほしいんですよ。
思い入れがあるのが、バウムクーヘン 輪菓歩(わかほ)です。2016年、熊本地震の年に誕生しました。
地震の後、店の前を通られるかたがたにお菓子を配ったら、皆さん笑顔になられたんです。
被災して大変な時でも、やっぱりお菓子は人を元気づけるんだと思いましたね。少しずつでも歩みを進めて、復興に迎えれば……。
そんな思いを込めて、地震直前に生まれた娘の名前にちなんだ商品名にしました。
【か】「菓輪(かりん)」というお菓子もありますが、お菓子を囲んで、笑顔の輪が広がるようなお店ですね。
【佐】熊本に貢献したいので、熊本県産の食材を使うように心がけています。小国ジャージー牛乳はもちろん、ハチミツ🐝🍯、小麦、米粉、天草の天然塩、小国の醤油など。
フルーツも季節ごとに宇土市の苺🍓、阿蘇市のブルーベリー🫐、山江村の栗🌰など生産者から仕入れています。
小麦粉アレルギーや卵アレルギーのかたにも味わっていただきたいので、事前にご注文いただければ、アレルギー対応の商品もつくるようにしています。
また、「バター醤油サブレ」の紙ヒモをお願いしている作業所では、小国町の大工さんのかんなクズを手で細く裂いてくれるので、それを焼き菓子等のクッション材として使用しています。僕なりのSDGsですね。
【か】そんな心意気をわかってくれる若者が独立して、姉妹店がたくさんできるといいですね!
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