ホリエモンも推薦!照寿司の店主が語る、熊本愛とお気に入りの名店とは?
世界中に熱狂的ファンを持ち、芸能人や食通がわざわざやってくる「照寿司」。三代目店主が初の著書をリリースし、おるとだけに語った「昔からゆかりある熊本愛」2000文字以上の熱きインタビュー
寿司職人が、ここまで世界から注目されたことがあっただろうか?
しかも、それは「インスタ」のみからだ。
九州の田舎にありながら、ホリエモンなど著名人からフーディーをはじめ、全世界のセレブを魅了する照寿司 / 孤高の鮨職人・渡邉貴義 氏(@teruzushi)。https://terusushi.jp/
この度、初の著書『自己流は武器だ。私は、なぜ世界レベルの寿司屋になれたのか』をリリースし、話題沸騰中!ますます注目を浴びる本人に独占インタビュー。熊本にも多く足を運び、食材もふんだんに選び、使うなどゆかりが深い話は有名だ。そのルーツに迫った。
SPECIAL INTERVIEW
渡邉貴義。この男、凶暴につき。彼こそ九州を世界へ連れ出す重要人物だ。(おると編集長・ツネ)
【おると編集部:以下、お】
初の著書リリースおめでとうございます。コロナ禍で飲食業は大きく変革を求められている中、業種問わず、人生の哲学として、これからの生きる術が本書に書いてあるように感じました。中でも、最もお気に入りの文言・メッセージの肝を教えて下さい。
【照寿司 店主:以下、照】
ありがとうございます。そうですね、中でも一文を選ぶならば、
『自分の哲学があれば、場所なんか関係ない。 自分が作りだした空間で、自分にしか握れないオリジナリティのある寿司を体験してもらえばいい。』
少し熱いですが、心の底からの本質的メッセージです。冒頭の24ページに、書き記しています。
【お】
『まるで寿司オペラ!!』と世界から評され、常識を覆す寿司屋のスタイルにたどり着いたキッカケは、何だったんでしょうか?
【照】
北九州という立地において、寿司屋として他とは違う突出した独自性と発信力を求めた結果、こだわり抜いた地元の食材選びはもちろんのこと、それだけにとどまらず、自己もどんどん表現する必要があったからです。
【お】
写真映え力と破壊力抜群のオリジナルな『照寿司ポーズ』の絵力が生まれたルーツは何でしょうか?
【照】
正直言うと、最初からこのスタイルがあったワケではありません。初めは、いわゆる一般的な寿司を置いて提供しておりましたが、召し上がっていただくまでに時間がかかることも多々ありました。しかし、それでは「間」がもったいない。もっと、鮨職人としての想いや哲学を感じて頂くための、「間」こそも大切だと思ったんです。こだわりにこだわった信念ともいえる、とびっきりの宝(=食材)を使った寿司を、握りたての状態で召し上がって頂きたい……。そう思えば思うほど、このライブ感のある「手渡し」で渡し始めたというのがルーツです。
【お】
なるほど、納得です。では最も興味深い点で、それらスタイル作りに影響を与えた人、映画、文化などあれば教えてもらえますか?
【照】
……そうですねぇ。う~ん、これといって一つを絞ることは難しいのですが、幼少のころからの趣味である映画鑑賞によって、表現的な部分で多く影響を受けていると思います。中でもあえて例を上げるならば、ロバート・デニーロ出演の「キング・オブ・コメディ」の様なドラマティックの中に、美しき狂気がはらんだ展開を好んでいるのかもしれません。
【お】
北九州の戸畑という地方にありながら世界と戦う姿に、同じ九州人にたくさん勇気を与えていると思ってます。これからの九州人があるべきスタイルは何だと思いますか?
【照】
九州には九州にしかない、選りすぐりの食材や文化がたくさん存在します。しかし、我々、地方に住む人間には、東京に住む人たちよりももっと強く、ちゃんと発信力を意識して行動しなければ、誰も振り向いて頂けません。
九州には九州の強みがたくさん眠ってて、自信を持って発信できるモノがあるんです。だから、シャイにならずSNSやメディアを駆使し、地道にコツコツと、自分たちを信じて、アピールしていかねばならない時代だと思っています。
【お】
熊本にも仕入れに来られたり、ゆかりがあると聞きます。熊本の食文化・素材について感じていることは何でしょうか?
【照】
熊本と言えば豊富な農作物もあって、寿司の素材ならば天草の車海老や鱧。そして何といっても、うちの名物であり、
シグネチャー・ディッシュ『鰻バーガー』に使用する球磨川の鰻は絶品でしょう。
ある種、バランス良くいろんな食材を使える土地だと感じております。
【お】
えッ!? あの看板メニューは人吉バーガーだったんですね(笑)。食通でも知られる渡邉さんですが、熊本の飲食店で注目している店はどこですか?
【照】
桜町にある『鮨 むら上』ですね。
店に立つ弟の拓也は、照寿司で一ヶ月間、住み込みしたこともあるし、ニューヨークのイベントにも参加してくれた。奴寿司(天草)の息子兄弟が出したお店です。つまみでは、にんにくを使ったソースなど、寿司屋として王道ではなく、オリジナルの料理を提供している点が、まさに個性的で素晴らしいと思います。応援してほしい熊本の名店の1つです。
https://tabelog.com/kumamoto/A4301/A430101/43014482/
【お】
照寿司では、前々から「菊鹿ワイン」を取り扱うなど熊本ワイン応援大使のようにSNS等でも熊本プッシュをされているのは、熊本人として嬉しく思ってます。その魅了されているポイントや、オススメの一本はございますか?
【照】
樽が効いていて食中酒として、日本料理の中の寿司ともよく合うんです。何よりも熊本の風土、食材を感じ、我々の食とも素晴らしいマリアージュで最高のワインです。照寿司では今、菊鹿ワインしかお勧めしていません。
中でもオススメの1本は、樽熟成のシャルドネですね。
https://www.kumamotowine.co.jp/
https://www.tsuruya-dept.co.jp/shop/pages/story02.aspx
【お】
コロナで飲食店は急激な変化を必須ですが、改めて「食を提供する側」と「食を嗜む側」はどうあるべきでしょうか?
【照】
まずは思いやりのある寛容な心で飲食店側だけでなく、それを利用する方達や、それらに関連する人達に接して頂ければ、飲食に携わる一個人として嬉しく思います。私は、飲食という分野でしか表現できないこともあると信じておりますので。
【お】
最後に〆の言葉で、熊本愛のメッセージを頂けると嬉しいです。
【照】
熊本県は新型コロナウイルス感染症、豪雨や地震災害と数々の大困難と闘っています。私たちが愛する熊本のいち早い再復興へと繋がるよう食という文化を通じ、少しでも熊本と九州、世界との架け橋のような存在になれるように努力して参ります。
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