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ノハラ

小野副知事に聞くー熊本地震後の観光の復興について

観光にとっての究極はファン化

そして、観光にとっての究極はファン化なんですよね。
熊本が好きで毎年1回は行くんですよ、という人を増やしていくのが大事です。
スイスのツェルマットでは、かなりのファンになっているような人には、バッジを送り、おしゃれなカフェのよい場所は、そのバッジをしている人しか座れない。よい席に座りたいと言っても、ダメです、あそこはリザーブ(予約席)ですと言われて、予約が入っていなくても座れないそうです。

—ダメですって言えるのがすごいですよね。

顧客のロイヤリティ(loyalty=親密性)を高めるような仕組みを考えて、やるべきなんですよね。
実際に熊本が大好きだと言って来てくれる方を大事にするということです。
そういうことを各観光地でやっていくこともすごく大事だと思います。
それはデータがあってこそなので、顧客管理をしっかりすることが必要です。

—ファンの方に年1回来てもらうでもいいし、四季ごとに来てもらえればもっといいしですね。

熊本城の復興城主についても、もちろん特典はいろいろあると思いますが、繰り返し来てもらっている人や、額が大きい人はもっと特別扱いしていいんですよね。

—VIP待遇で、ロイヤリティが高まるようなことを考えた方が、広がりがありますしね。

マーケティングの究極は、いかにファンになってもらうか。
ファンになった方は、自分が誇りに思って、まわりに宣伝してくれますから。
本当に熊本が大好きで、あそこにいつも行くんだよね、といかに言ってもらえるか。
熊本が私にとって特別な場所なんだと思ってもらわないといけないと思います。

—ファンとなってもらうにはどういったことが大切だと思いますか。

ひとつは「人」が大きいと思います。
「熊本は特別だ」というのは、「あの人が素晴らしいんだよね」とか、「あの人を応援したいんだよね」とか、「あの人の生き様がいいよね」ということだと思います。
あるいは、その場所にいくと自分が大事にしてもらっている、というような関係になっているということです。
やはりカスタマーリレーションシップが大事だと思っています。

そこに至るまでには、いろいろな仕掛けが必要です。食で呼び込むというのもそうです。
あるいは、顔がちゃんと見える形で地域の人が迎えるだとか、いろんな仕掛けがあると思いますが、そういうものをいろいろ組み合わせながら体系化して、この地域、事業者だったらこういうサービスを提供します、と自らで定義して、それをきちんと実践して、顧客も管理していく。
そういうことをそれぞれの地域でやれればいいと思っています。

あとは先ほども述べた、連携です。
それぞれ持っているリソースを他の人も共有できることが大事だと思います。

友達を呼ぶということもすごく大事なこと

それに、友達を呼ぶというのが、すごく大事なことだと思うんです。
私もそうですが、東京の友達などが地震後、特に来てくれるんですね。

だから、県民ひとりひとりが発信者になって、自分の知人や友達を呼び込むことができると、だいぶん違うと思います。そして、知人・友人だったら、普通の地元の居酒屋で美味しいところに一緒に行ったりだとか、従来の観光とは異なる特別な体験をさせることができます。
まちあるきツアーやいろいろな体験を提供できる人とお客さんをマッチングして、それで旅行者を案内するというWEBサービスもあります。そういうものと同じで、知人や友達を呼び込むということもすごく大事だと思います。
ですから、やはり県民全員が観光大使です、という気運醸成もしていければいいのではないかと思います。
決して、旅行会社だけの話ではないと思います。

—オール熊本で観光に取り組むことができたらいいですよね。われわれくまもとDMCの活動も熊本の創造的な復興に繋がっていくよう尽力していきたいと思います。本日は貴重なお話、ありがとうございました。

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キュレーター紹介

ノハラ

千葉県生まれ。縁もゆかりもなかった天草の離島・御所浦に、学生時分に縁ができ、数年前から島住まいです。 趣味は和船、櫓漕ぎなど。お刺身をはじめとした魚料理が好きで「おいしい魚を食べ続けられるように」というのがここ最近の気持ち。

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