【2025年 NHK連続テレビ小説の主人公 小泉セツの夫】 小泉八雲 熊本ゆかりの地を巡る!今押さえておきたい観光スポット
知られざる文豪・小泉八雲の魅力を熊本のゆかりの地で再発見しよう!2025年のNHK連続テレビ小説『ばけばけ』で注目を浴びる小泉八雲。彼が愛した熊本には、今も八雲を感じられるスポットが残っています。旧居や執筆の舞台となった場所を巡り、八雲が見た日本の風景に触れてみませんか?
こんにちは♪とある大学生のシロネコと申します。
皆さん、小泉八雲って知っていますか?
熊本に住んでいる方は名前だけでも耳にしたことがあるかも!
他県に住んでいる方は、文豪だっけ…? 夏目漱石なら知ってるけど…
という方が多いかもしれません。
『雪女』『耳なし芳一』『ろくろ首』
これらのタイトル、聞いたことはありますか?
実は、これらのお話の作者が小泉八雲なのです!
そしてそして
2025年にNHK連続テレビ小説『ばけばけ』が放送されます!
松江の没落士族の娘・小泉セツがモデルの物語で、そのセツさんの夫が小泉八雲です。
連続テレビ小説 主人公「小泉セツ」ってどんな人?
小泉セツは1868年2月26日 出雲松江藩の家臣小泉家に生まれました。
22歳の時、松江の英語教師として赴任したラフカディオ・ハーン(後の小泉八雲)と結婚します。
幼少の頃から物語好きだったセツは、ハーンの語り部となり、夫の執筆作業を支えました。
セツの夫「小泉八雲」ってどんな人?
小泉八雲とは、日本に伝わる怪談だけでなく、随筆、紀行文、文芸批評、民俗学、翻訳(フランス語英訳)などの幅広い分野で多数の著書を残した作家です。
本名をラフカディオ・ハーン(Lafcadio Hearn)といいます。
え!?らふかでぃお!?海外の方?と思った方、驚きですよね。
そう、八雲は日本生まれではないのです。
八雲は、1850年6月27日イギリス領レフカダ島で産まれました。
16歳のとき、遊んでいる最中に左目を失明してしまいます。
このときから、右目が写っている写真しか撮らなくなってしまいます。
左目が見えないことによって、見えない世界が見えるようになっていきました。
19歳の時 ニューヨークで『古事記』を読んだことで、日本に興味を持った八雲は、40歳で日本を訪れます。
54年の生涯のうち14年間を日本で過ごし、そのうち3年間を熊本で過ごしました。
3年間、熊本で何をしたの?
第五高等中学校(現在の熊本大学)の英語教師として熊本で働く傍ら、『石仏』や『夏の日の夢』、『知られぬ日本の面影』『東の国から』などの作品を熊本で執筆しました。
世界が日本を知らなかった時代、明治日本の人々や生活、出来事、精神性を文学という形で世界に発信していました。
『ばけばけ』にも登場するかも!? 小泉八雲ゆかりのスポット
実は、今も熊本には小泉八雲とのゆかりが感じられるスポットが残っています。
それでは、数少ない小泉八雲を感じられるスポットをご紹介します。
小泉八雲の大ファンの方、
ふ~ん、ちょっと興味あるかも、という方
ぜひ最後まで読んでみてください♪
①小泉八雲熊本旧居
ここは、小泉八雲が熊本に来て最初に住んだとされている家です。
現在、八雲の生涯や熊本で過ごしたことなどの資料が展示されています。
熊本に来た八雲は、最初に第五高等中学校にある外国人教師用の洋館を見に行きましたが、畳の部屋がないという理由で、江戸時代の武家屋敷の様式を残したこの旧居を借りて住んだそうです。
この家を借りるにあたって八雲は特注の神棚を設けたそう。
松江で「出雲大社」を参詣した八雲は、日本人が信仰する「神道」が大好きになりました。
毎朝神棚に拍手を打って礼拝する、人力車で学校に通うなど、日本人以上に日本人らしい生活を送っていたようです。
こんなこだわりがあるなんて、それほど日本の文化が好きだったことがわかりますね♪
旧居を訪れる際、小泉八雲熊本旧居の坂本館長にアポイントを取り、特別にお話を聞かせていただきました。
その際、館長がおっしゃっていた言葉が、八雲の住まいや生活に対するこだわりとリンクしているように感じました。
「ハーンから教えられることはとても多い。今の時代に、日本人の本来の良さ、日本の文化を知るきっかけになる。」
もっと詳しく小泉八雲について知りたい方は、ぜひ旧居へお立ち寄りください。
住所:熊本市中央区安政町2-6
開館時間:9:30~16:30
入館料:大人・高校生 200円
小・中学生 100円
未就学児 無料
※熊本市内の小・中学生は無料、また65歳以上の方も無料
定休日:月曜(祝日の場合は翌日)、12月29日~1月3日
駐車場:旧居には駐車場がありませんので、公共交通機関をご利用ください。
②熊本大学 小峰墓地「鼻かけ地蔵」
2つ目に紹介する場所は、熊本大学の裏山にある小峰墓地です。
ここは「石仏」(『東の国から』収録)の舞台とされた場所です。
坂本館長によると、八雲は第五高等中学校で英語教師をしていた際、お昼休みの時間に、ここへご飯を食べに来ていたそう。
「この仏像は、加藤清正時代から、ここにずっとこうして座っているのであって、じっと瞑想にふけっているようなまなざしは、はるか脚下の学校と、その学校のそうぞうしい生活とを、半眼をひらいたまぶたのあいだから、しずかに見下ろしながら、身に創疿をうけながらも、なにひとつ、それに文句のいえない人のような、莞爾とした微笑をたたえている」
『石仏』より引用
八雲はこのように感じたようです。
私も実際に訪れてみて、
墓地の中にひっそりとたたずんでいる、和やかな雰囲気の鼻かけ地蔵に心が癒されました。
熊本大学から小峰墓地まで、まあまあの距離があります。暑い季節に行かれる方は水分補給をしっかり行ってください。
鼻かけ地蔵の周りは木で覆われており、涼める影ができています。
ゆったり座りながら地蔵を見て、風情を感じてみてはいかがでしょうか。
(墓地なので、八雲の様にお弁当を食べるのはお控えください)
③三角西港 浦島屋
3つ目に紹介する場所は、宇城市三角町にある三角西港の「浦島屋」です。
ここは「夏の日の夢」(『東の国から』収録)で八雲が訪れたとされている場所です。
「夏の日の夢」は八雲が描いた紀行文の中で最高傑作とされています。
明治20年頃に誕生したコロニアル様式のホテルになります。
建築・工芸様式の一つです。
17~18世紀のイギリス・スペイン・オランダの植民地に見られ、特に植民地時代のアメリカで発達しました。コロニアルとは「植民地の」という意味があります。
日本でも明治時代以降、外国人居留地の住宅で用いられました。
この浦島屋は設計者が特定されておらず、設計図もなかったため幻の建物と呼ばれています。
現在の浦島屋は平成4年に数枚の写真を基に透視図面を作成し、かつての姿に復元したものになります。
現在はホテルとして使われておらず、休憩所として使われているようです。
中を見渡してみると、明治時代の面影を感じることができます。
2階にはオープンテラスがあり、外の景色を眺めることができます。
『夏の日の夢』の作中には、この浦島屋から見えたと思われる風景についての記述があります。
「二階ざしきの縁がわの、杉丸太の柱のあいだから、海ぞいの、くすんだ色をした美しい町の家並が、ひと目に見渡される。碇をおろしたまま、うつらうつら眠っているような幾そうかの黄色い帆かけ舟、見上げるばかりの深緑の断崖が両がわから迫りよったあいだにひらけている入江の口、そのむこうに、はるかかなたの水平線まで、いちめんにぎらぎら光り輝いている夏の海。」
『夏の日の夢』より引用
ということで…
おそらく八雲はここらへんで景色を眺めていたのでは!?という写真を撮影してきました。
心地よい風が吹き、八雲が見ていたと思われる景色を見れて風情を感じます。
また、同作内には、
朝の膳には、竹の子とハスの煮つけが出た。
『夏の日の夢』より引用
とあります。
この風景についても坂本館長から「“水の平焼”を使っていたのではないか」と教えていただきました。
水の平焼きとは、1765年(明和2年)江戸時代から続く窯元で、天草地方で作られている焼き物です。
私も天草地方出身なので八雲が使っていたと伺い、とてもうれしく感じました!!
その後、浦島屋から出て海沿いをお散歩。私も八雲の気持ちになって海を眺めてみました。
潮風の匂い
夏の日に小さく煌めく青い水面に
胸がときめきます。
ちなみに、三角西港に行くならぜひ立ち寄ってほしいおすすめの場所があります。
6月にオープンしたアマテラス珈琲は、築港当初に建設された海運倉庫を改修したお洒落なカフェ。
店内に飾られてあるキラキラと輝く大きなオブジェが、わくわく感を演出させます。
星座をモチーフとしたこのオブジェは、熊本県天草市出身の造形作家「gaju」さんによって作られたものになります。
店舗名の「アマテラス」とは、目の前に広がる海と空を中心とした周りの環境と三角西港全体を照らし(テラス)続けられるような存在になりたいという思いが込められているそうです。
私はホットドックとドリンクがセットになっているアマテラスセットを注文!
美しい海を眺めながら美味しいご飯を味わう…
「サイコ~すぎる~!^^」
とっても優雅な時間を過ごすことができます。
八雲はここでどんなことを感じたのか…
自分なりに考えながら過ごしてみるのもまた一興
カッと照り付ける日差しの中、
一休みするのにぴったりの場所です。
ゆったりと流れるひと時をここで過ごしてみてはいかがでしょうか。
最後にご紹介する場所は、小泉八雲の作品には登場しないのですが…
法の館(旧三角簡易裁判所)です。
ここは無料で中を見学することができます。
明治23年に開庁され、大正9年に現在の場所に移築されました。
平成4年(1992年)まで現役の裁判所として利用されていたそうです。
現在は利用されていません。
また、映画のロケ地としても有名です。
灼熱の中、お昼時にここを訪れたのですが、中へ入るとツン…と背中が凍るような感覚が。
当時の物がそのまま残されているからでしょうか…?
なんとも「怪談」を連想させる雰囲気。
夜に来ると、また雰囲気がガラリと変わった法の館を感じることができるかもしれませんね。(※夜は閉まっています)
住所:宇城市三角町三角浦1031
開館時間:9:00~17:00
定休日:年末年始
駐車場:20台
最後に
いかがでしたか?
『ばけばけ』の放送、待ち遠しくなっちゃいましたか?
今回紹介した場所の他にも『停車場で』『橋の上で』などの作品も、熊本が舞台とされています。
気になる方は調べてみるといいかもしれません!(注意:この二つの作品にも少しホラー要素があります。苦手な方は気を付けて)
他にも、上天草市や宇城市などには熊本を楽しめるスポットがたくさんあります。
熊本に興味を持った方、おるとくまもとで検索して旅の参考にしてみてください♪
セツさんについてもっと知りたい方へ
今回、インタビューでお世話になった小泉八雲熊本旧居の坂本館長がセツさんについてお話しされるイベントがあります。
記事を読んで、興味がわいたあなた!ぜひ、ご参加ください。
小泉八雲と熊本の関係は知っていますが、紹介された場所には行ったことがありません。記事を読んで、どの場所もとても魅力的に感じました。是非、訪れたいです。