【やつしろぷれす切り抜き】古墳にコーフン!八代の古墳めぐり~やつしろ大昔ばなし~
「古墳って地味…?」そんなことありません!地元ライターが選んだ、物語と絶景に出会える八代の古墳めぐり入門編。週末は古代散策へご案内!

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こんにちは!古墳めぐりが大好きな、さびろんです。
むか~し昔、大むかし。”クニ”の形ができる以前の八代は、まだ”八代”という名前もなく、今とは全く違う風景が広がっていました。地元の有力者が眠る「古墳」を巡れば、そんな古代八代のルーツが見えてくるかもしれません。
巡るほどハマる八代の古墳群、今回は、ココは外せない!古墳チェックポイント【入門編】をご紹介します!
大鼠蔵(おおそぞう)古墳群~鼠蔵(そぞう)エリア~
球磨川河口にある大鼠蔵山や北隣にある小鼠蔵山は、もともと八代海に浮かぶ島だったところで、江戸時代の干拓によって陸続きとなりました。古墳もさることながら、一歩足を踏み入れるとそこは素敵な森!お弁当を持って歩きたくなる、超穴場ポイントです。
こんな感じで八代海も一望できます。今の季節は最高に心地よい、さびろんのイチオシスポットです(*^-^*)
楠木山古墳(くすのきやまこふん)
そんな素敵な山道をのんびり歩くと、4世紀後半に造られた、八代で最古級の古墳に出会えます。遺体を埋葬した石室は竪穴式です。海が見渡せる絶景ポイントです。
尾張宮(おわりのみや)古墳
尾張宮大明神が祀られる神社の下にある横穴式石室。内部は赤く塗られ、同心円文が3個彫られているそう。尾張の武将がたどり着いたとされる伝説も興味深く、その下の古墳は小円墳です。
箱式石棺群
こちらには、サンゴ礁の周辺に生息する貝・サラサバティで作られた腕輪も出土していることから、南に住む人たちとの交流があったかもしれません。
田川内(たのかわち)第一号古墳~敷川内・日奈久エリア~
縄文時代の貝塚にある横穴式石室。内部に鮮やかな装飾がある円墳です。ドーム状で、内部に立て並べた石の板や壁面には同心円文や円文が彫られ、石室全体に朱色が塗られています。
サンゴ礁の海に生息するイモガイ製の貝輪が出土し、八代海を北上し北部九州へと通じる”貝の道”との関連もありそうです。熊本地震以降、内部見学はできませんが、いかにも古墳らしい姿を見学できます。
八代大塚古墳~上片町エリア~
円筒埴輪や人物埴輪が出土した前方後円墳!墳丘の一部は、昭和43年に八代平野利水事業用排水工事で削られていますが、発掘調査で人物埴輪や円筒埴輪、須恵器などが出土しました。古墳時代後期(5世紀末~7世紀頃)のヤマト王権と密接な関係を感じさせる古墳なのだとか!
臨港線沿いにある大塚古墳はドローンで見ると確かに前方後円墳であることが分かります。
全長55.7m、前方部幅43.1m後円部高8.9m。
出土した人物埴輪。髪を結ったきれいな状態の女性の頭部で、九州ではかなり珍しいと言われています。大塚古墳の南側には茶臼山古墳も。昔は二つの古墳の間にも円墳があったそうです。
こちらは鬼の岩屋第一号古墳。上片町の3号線沿いに突如現れます。このタイプの横穴式石室は、龍峯地区から日奈久地区にかけて20基ほど残っています。
谷川第一号古墳~龍峯エリア~
龍峯地区は古墳が点在しています。一号古墳は本来円墳だったとされています。すぐ近くには二号古墳もあります。(※現在水害による復旧作業中のため交通規制がある場合もあります)
”鬼の岩屋”の名前の由来
鬼=大きいもの、という意味があり、人には動かせないほどの大きな岩が使われた謎の構造物を鬼によるものと考え、地域の人々が名付けたという例も。また、岩屋とは本来、岩盤に彫られた横穴の住居を指しますが、窟(いわや)は人の集るところ、住処という意味。「ふるさと百話」には、子どもの頃「あそこは鬼がすんでいるから近寄ってはいけない!」といわれたと紹介されていることから”鬼の住処”が名前の由来なのかもしれません。
まとめ:入門編の、その先へ
今回は八代の古墳めぐりの「入門編」として、代表的な4エリアをご紹介しました。実際に古墳を巡って気づくのは、ほとんどの古墳が、っとも美しい景色を望む場所にあるということです。
遠い昔の人たちも、私たちと同じように風光明媚な場所を選んで大切なお墓を造ったのかもしれない…そう思うと、時を超えて古代の人々と心が繋がるような、不思議な気持ちになります。
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今回紹介した古墳MAP
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