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モリナガ

旨い醤油がココにある!宇城・醤油ロードのご紹介!

変な髪型でこんにちは。おるとくまもと編集長のモリナガです。いい大人なのに、つい自分で髪を切ってしまい、後悔しています。

突然ですが皆様、醤油は好きですか?僕はポテトサラダにも醤油をかけてしまうくらい大好きです。

醤油(しょうゆ、しょう油)のルーツは古代シナで食されていた「醤(ひしお)」と言われている。塩漬けにした肉や魚、穀類などを発酵させたもので、調味料ではなくそのものを食べていた。その醤のなかの大豆でつくった「豆醤(とうしょう)」が日本に伝わり、改良されたものが「しょうゆ」と言われている。伝承によれば13世紀頃、南宋鎮江(現中国江蘇省鎮江市)の金山寺で作られていた、刻んだ野菜を味噌につけ込む金山寺味噌の製法を、紀州(和歌山県)の由良興国寺の開祖・法燈円明国師(ほっとうえんみょうこくし)が日本に伝え、湯浅周辺で金山寺味噌作りが広まった。
Wikipediaより

完全に自分の好奇心を満たす為と、買い物の為ですが、宇城市の海岸線沿いに醤油屋さんが沢山あると聞いて行ってきました!

 

みなとしょうゆ

独特の甘みと旨味が人気のみなとしょうゆさん。おるとくまもとで取材させて頂いた馬刺し専門店「馬桜」をはじめ、郷土料理の名店「瑞穂」や寿司処「稲穂」といった、聞いたらすぐ分かるような熊本の有名店でも利用されている醤油です。

お話を聞かせていただいたのはこの人。


植田耕清(うえだこうせい) (有)みなとしょうゆ醸造元 代表取締役
1967年生まれ。大分大学経済学部を卒業後、国民金融公庫(現 日本政策金融公庫)での勤務を経て家業でもある(有)みなとしょうゆ醸造元に入社。

モリナガ:
今日は宜しくお願い致します。それにしても、「みなとしょうゆ」の名前通り、素晴らしい眺めの場所に立ってますね!

植田さん:
そうなんです。(有)みなとしょうゆ醸造元は、昭和9年に別の場所で創業したのですが、昭和58年の道路新設に伴い現地で製造・販売を行うようになりました。創業時に宇城市の海沿いだったこともあり「みなと」という名を付けたため、移転の際にも海に近い場所を探して、今の場所に辿り着きました。私で3代目となります。

モリナガ:
そういえば醤油の醸造元って、海沿いが多い気がするのですが、何か理由があるんですか?

植田さん:
やはり、物流の影響が多いのかと思います。昔は、作った醤油を船で運んでいたこともあり、海沿いに醸造元が集中するようになっていました。その後、鉄道の普及に伴い、線路沿いにも増えて行きました。あと、城下町には必ずと行っていいほど醤油の醸造元がありますね。江戸時代は、城下町・門前町という消費地で作るというパターンと、庄屋さんが農産物を作り、原料の生産地で作るパターンの二つの流れだったのかと思います。

それが、明治以降、電気が通り、機械化が進むことで工業生産に入っていくというのが流れです。
輸送方法も、船から、鉄道になり、車に変化していきました。車での輸送は1940年代ではないでしょうか?

モリナガ:
確かに、リーダーズ(※愛知自動車 豊田喜一郎氏をテーマにしたドラマ)で見ましたが国産トラックの開発がこの頃ですよね!

植田さん:
わが社でも、祖父の時代はリヤカーで配達していたと聞きました。つまりこの範囲が商圏だったわけです。そして、醤油味噌を家で作っていたものを買うようになるのが、昭和に創業が増えた理由だと思います。

モリナガ:
なるほどー。昔から食されているものだからこそ時代背景に影響を受けながら育ってきているんですね!

植田さん:
あと、酒の蔵元から聞いた話だから、たぶん間違いないとは思いますが、お殿様が城下町を作る際、酒蔵より先に醤油蔵を入れたと言われているらしいです。これは、醸造期間の差も関係していると言われています。

モリナガ:
確かに、酒は秋に仕込んで春には飲めますが、醤油は1年位かかりますもんね!かなり長期戦だとは思いますが、製造の過程で一番苦労されることは何なんですか?

植田さん:
やはり、「麹づくり」ですね。菌の力を使って醤油を生産しているので、温度管理や湿度管理は当然のこととして、スタッフは納豆をできるだけ食べないようにしています。ちょっとしたことで味が変わってしまうデリケートな作業です。醤油は、人が作っていると思われがちですが、実は麹菌が作ってくれています。麹菌とは黴(カビ)の一種で、その中で醤油に使われる麹菌は「アスペルギルス・オリゼー」「アスペルギルスソーヤ」という2種類です。九州の醤油はアスペルギルス・オリゼーが主流で、関東の醤油はアスペルギルス・ソーヤが主流です。

モリナガ:
社長の机にある可愛いのは何だろう?と思っていましたが、「もやしもん」に出てくるヤツですね!

もやしもん
農大で菌とウイルスとすこしばかりの人間が右往左往する物語。種麹屋の次男坊である沢木 惣右衛門 直保(さわき そうえもん ただやす)は、菌やウイルスを視認し会話ができるという不思議な能力を持っていた。直保は幼馴染の結城蛍とともに、祖父の友人である樹慶蔵が教授を務める「某農業大学」へと入学する。院生の長谷川遥とゼミ生の武藤葵、密造酒の製造に失敗して多額の借金を背負うことになった2年の美里薫と川浜拓馬、偶然ゼミに参加することになった1年の及川葉月を加えた面々は、菌とウイルスに纏わる様々な騒動に巻き込まれてゆく。
Wikipediaより引用

植田さん:
オリゼーは味重視、ソーヤは香り重視という特徴があります。味噌は、全国的にオリゼーが主流と聞いています。

モリナガ:
地域によって菌自体が違うんですね…。奥が深い!

植田さん:
ところで、醤油って5種類あるって知ってますか?

モリナガ:
もちろん知りません・・・。薄口・濃口みたいな違いですよね?

植田さん:
その通り。古くから日本各地で生産されてきたしょうゆは、それぞれの地域の嗜好や醸造の歴史により5種類に分類されてます。「こいくち」「うすくち」「たまり」「さいしこみ」「しろ」の5つですね。国内生産量の約8割は「こいくち」で、最も一般的なしょうゆです。

植田さん:
関東方面は香りを重視する傾向にありますが、熊本では味を大切にする傾向があるなど、地方の嗜好に合わせていろんな醤油が作られています。

モリナガ:
確かに、違う土地に行くと、醤油の味が全然違いますもんね。ちなみに、みなとしょうゆさんならではの製法などはあるんですか?

植田さん:
もちろん、細かい部分ではいろんなこだわりがありますが、他社さんと大きく違うのは「水飴」の使用量ですね。これがトロみと独特の甘さの源泉となっているとも言えます。合成保存料を使っていないのも特徴かもしれません。


植田さん
醤油の醸造元というと、木樽で仕込んでいるような風景を想像されるかもしれませんが、みなとしょうゆでは「品質を安定させたい」という思いから可能な限り近代化を進めています。全ての製品タンクをステンレス製に変更しました。

モリナガ:
確かに、醤油といえばおっきな木樽をかき混ぜてるイメージですもんね。


醤油を作る機械。難しいことは分かりませんが、かなり大きくて、醤油のいい香りが工場中に漂っていました。

植田さん:
醤油や味噌は、「家庭の味」を支えているものだと思っています。よく言う「おふくろの味」と言うものも、調味料である醤油や味噌の影響が大きいです。だからこそ、私たちは、品質を安定させ、「変わらない家庭の味」を支えていきたいと思っています。大学で一人暮らしをしたり、就職したり、結婚したりした時に、自分の家庭の味である味噌や醤油を新しい環境・家庭で使って貰う。そうやって沢山の幸せな生活を支えていけたらいいですね。

 

工場に併設される商品の販売所。沢山の種類の醤油や味噌が並んでいます。

試飲コーナーも。味の違いを楽しめます。


試飲コーナーにも「アスペルギルス・オリゼー」が。

モリナガ:
いろいろ有難うございました!醤油について凄く詳しくなった気がします。「アスペルギルス・オリゼー」を噛まずに言えるように反復します!
最後に、今後の取り組みなど教えていただけないでしょうか?

植田さん:
今後の取組という具体的なものではないけど、醸造元を継ぐ時に「お酒と同じくらい消費される醤油をを作りたい」と思って継ぎました。この初心を忘れず、いろんなことにチャレンジしていきたいですし、息子が大学で醸造について学んでくれているので、いい状態で渡せるようにしたいと思っています。そして、少しでも多くの幸せな家庭に「みなとしょうゆ」がある世の中を作りたいですね。

モリナガ:
ステキな話!ありがとうございます!愛する㈱ピエトロさんのギフトに入っていて感動した、「継続とは初心を忘れないこと」という文言に近いものを感じ、「モノづくり」への情熱を感じることが出来ました!

 

 

>次ページでは松合食品さんのご紹介です。

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キュレーター紹介

モリナガ

熊本生まれの熊本育ち。県内を転々としながら、今阿蘇郡の南小国町に住んでいます。好きな食べ物はキャベツとキュウリ。酔うと髪の毛を自分で切る癖があります。

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