【山鹿のまち歩き・前編】歴史とレトロな湯町を楽しむ観光スポットをご紹介!
こんにちは、副編集長のサトウです。
皆さんは山鹿を訪れたことはありますか?山鹿と言えば、江戸時代に参勤交代の宿場町として栄えた歴史・文化・温泉のまちです。現在も当時の面影が残る情緒溢れるレトロな街並みが魅力的なところですが、実は私、これまで山鹿温泉しか行ったことがありませんでした…
山鹿ってどこをまわったらいいの?どんなふうに楽しめるの?
そんな山鹿初心者の私のような方必見!今回は超ベテランガイドさんと巡る山鹿の観光名所をご紹介します。私をガイドしてくれたのはこちらの方。
山鹿市旅先案内人の会 会長 福山昭次郎さん。なんと84歳!!
ガイド歴20年以上、年間数千人ものガイドをされるベテラン中のベテランガイドさんです。
山鹿市旅先案内人の会とは?
山鹿出身の案内人の方々約30名が所属するボランティアグループ。案内コースは、八千代座や山鹿灯籠民芸館等華やかな文化史をたどる「豊前コース」とチブサン古墳やオブサン古墳の見学が楽しめる「史跡コース」の2コース。山鹿の歴史と文化を分かりやすい解説でご案内。
◆電話/(平日)0968-43-0111山鹿市地域振興公社(土日祝)0968-43-1152山鹿灯籠民芸館
◆案内料/無料(施設の入場料は別途必要) ◆休/要問い合わせ
福山さんとの待ち合わせは、観光案内所も併設する「さくら湯」前。
サ「はじめまして、サトウです。本日は宜しくお願いします。」
福「旅先案内人の会長の福山です。こちらこそ宜しくお願いします。では、早速ですがまずはこちら、さくら湯をご案内します。」
福「さくら湯は5年前に昔のままの造りで再生されました。道後温泉の棟梁を招き造られた唐破風の玄関は、昔のものを大切に保管し使われています。その他、可能な限り以前使用されていた部材も取り入れられているんですよ。」
サ「立派な造りの玄関ですね。建物は新しいのにどこかレトロで懐かしい、他にはない独特な雰囲気が素敵です。」
九州最大、江戸期の建築様式を色濃く残す大浴場 さくら湯
今から約370年前、細川藩主の御茶屋とし記録が残る威風堂々の木造温泉「さくら湯」。明治初期の大改築以降、市民温泉として愛されてきた山鹿の元湯が平成24年11月に、昔の面影のままに再生。木造の梁や柱がむき出しになった迫力ある吹き抜け空間が広がる大浴場で昔から美人の湯として有名なアルカリ性単純温泉の泉質を堪能できる。
◆開館時間/6:00~24:00 ◆休館日/毎月第3水曜日
◆料金/大人(中学生以上)300円、子ども150円
福「ここが殿様の御前湯として作られた龍の湯です。市松模様の大理石の床と天井に描かれた龍が特徴です。」
サ「とても凝ったしつらいですね。お殿様の入ったこの温泉は私も入れますか?」
福「入れません…見学のみですが、大浴場にはぜひ入ってみてくださいね!次はちょっと2階にあがって温泉資料室を覗いてみましょう!」
福「こちらは明治初期のさくら湯の大浴場です。昔は、この辺りの人達は毎日、温泉に入りにきていて自宅にお風呂がなかったんですよ。私も小さい頃はよく温泉に入りに行っていたものです。」
サ「お風呂が毎日温泉だなんて幸せですね。温泉好きの私にとっては羨ましい生活です!さくら湯は人々の交流の場にもなってたんでしょうね。それにしても人口密度が高すぎる男湯ですね(笑)」
福「こちらは湯籠と言って、温泉に行く際、洗濯物もこの籠に入れて持っていき、温泉で洗濯まで済ませて帰るという習慣がありました。」
サ「温泉に行って、入浴と洗濯の両方ができるなんて一石二鳥だし経済的ですね。ちなみに当時の入浴料っていくら位だったんでしょう?」
福「入浴料は今でいう数十円ほど。しかし、基本的には無料というかお賽銭箱があって入れる人は入れていたという感じだったようです。」
サ「おーそれはいいですねー!それだけ温泉が生活の一部というか身近だったのでしょうね。」
温泉資料室には、今から800年以上前に遡る山鹿温泉の歴史の数々が展示してありました。歴史を知って温泉に入るとまた一味違った温泉が楽しめると思いますよ。
次に向かったのは、「山鹿灯籠民芸館」。ここで近くの現場にいた編集長のモリナガ氏も合流!
福「元銀行だったこの建物を改装したのが山鹿灯籠民芸館です。この民芸館のある通りは、参勤交代道として栄えた豊前街道と呼ばれる通りで、歴史ある商家が並ぶ山鹿で一番の宿場町でした。」
民芸館の中に入ると、真っ先に目に飛び込んできた山鹿灯籠のディスプレイに圧倒されます。シャンデリアのように、いやシャンデリア以上に美しい。思わず見惚れてしまいます。
山鹿灯籠とは?
山鹿灯籠の由来は、濃霧に行く手を阻まれた景行天皇の一行のご巡幸を松明を掲げた山鹿の里人がお出迎えしたことと言われている。それ以来、里人たちは行在所跡に天皇を祀り、毎年灯火を献上するようになり、室町時代の頃から和紙で作った灯籠を奉納するようになったと伝えられている。長い歴史と作法から平成25年には国の伝統工芸品に指定された。毎年8月15・16日に開催の「山鹿灯籠まつり」では、よへほ節の調べにのせて、頭上に灯籠をのせた千人の女性が優雅に舞い踊る姿は幻想的。
福「山鹿灯籠祭りはご存知ですよね?実際に踊る時のように灯籠を頭にのせてみましょう!」
サ「重そう・・・あれ??軽いっ!」
モ「ほんとだー軽っ!」
福「知っていましたか?山鹿の灯籠は実は和紙と糊だけで作られているんですよ。」
サ・モ「えー!!そうなんですか!?それは知らなかったです。」
福「和紙の原料は山鹿産の肥後楮(こうぞ)で、繊維が長く丈夫な特徴があります。」
福「こちらでは、灯籠師の制作を見学できます。山鹿灯籠は曲線部分に”のりしろ”がなく、紙の厚みだけで張り合わせていく技術は鍛錬の成せる技です。」
一つの灯籠が出来上がるまで約3日を要するそうです。これが全て和紙と糊だけだなんて、まさに神技ならぬ”紙技”です!!手先の器用な方はぜひ「ミニ灯籠作り体験」に挑戦してみてはいかがでしょうか?
その他、和紙で作った金閣寺や法隆寺、熊本城なんかも展示されていました。
ぜひ、今年の夏こそは山鹿灯籠まつりを見に行ってみたくなりました。
山鹿のまち歩きは後編へと続きます。
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