林業ハトが往く【宮崎県にチェンソーの競技会ば見にいったばい!】
チェンソーの猛者が集結!「九州伐木チャンピオンシップ」で林業のプロたちの技を体感せよ! 日本全国から32人の林業の達人が集まり、チェンソー技術を競う熱き戦いが宮崎で開催。熊本の木こり集団「くまもとLogging Club」も参戦し、迫力満点の競技が展開!さらに、チェンソーアートや木のおもちゃ体験、グルメも楽しめるイベントを熊本県林業研究グループのハトライター”メアリー”がレポート!
この記事は、熊本県林業研究グループのハトライターことメアリーが、グループの会員さんや熊本県内の山や森や樹木を相手に、お仕事にしている方々をご紹介するページです!
林業鳩は唐突に
突然ですが、日本の森林率ってどれくらいなのか皆さまご存知ですか?
日本は山が多く、森林率は66%から68.5%
森林面積は国土の3分の2と言われております。
それに対して、林業従事者さん達は70年前(昭和30年)に比べると国内で約50万人いたのが、現在では2020年(令和2年)には、約4.4万人。10分の1以下に減少しているようです。
熊本県でも…
50年前(昭和50年)には6,315人が、令和2年には2,389人。
およそ3分の1に!💦
だいぶん、少なくなってる…(出典:国勢調査)
山は、雨を貯水し、水を育み、多様な生命の生息地でもあり、私たちの生活には欠かすことが出来ない存在。
あたいのような鳩も森や林がなくなると、住処に困ってしまいますわ💦
もし、山を守る方々がいなくなったら…
山は土砂災害や洪水を防ぐ役目もあり、地球温暖化防止、文化や精神的な価値、または観光など様々な分野でも大打撃ですわ!
そんな絶滅危惧種…否、レアポケモンかしら…
そして、そんなレアポケモンな木こりさん達が、宮崎に集結するという風の噂が…
なにやら、日本全国から山仕事用のチェーンソー操作を競技化した【伐木チャンピオンシップ】の猛者達が集うという今大会。
その名も【九州伐木チャンピオンシップ&伐倒祭】が宮崎県日向市駅前《あくがれ広場》で2日間にかけて開催されるとな!
そして、そして、我らが、熊本県林業研究グループに所属のくまもとlogging Clubのメンバーも参加されていましたよ!
林業が、「なりたい職業ベスト10」に入るその日まで…
くまもとLogging Clubさんは、日本伐木チャンピオンシップ(JLC)協議を手段として「かっこいい!稼げる!希望が持てる!」林業を目指して様々な活動を行っている熊本のかっこいい木こりさんたち!
これは、応援しに行かんば!
ということで、宮﨑まで行ってきました!
丸太カットから始まる”熱森っ!(熱盛!)”な大会
さて、会場にやってまいりました!
テープカットならぬ、丸太カット⁈
こんなんはじめて見ましたわ!!
さすが、木こりさん達の集まり。とっても豪快ですわ!!
そして風の噂どうり、会場にはオレンジ色や赤や黄緑色などのド派手なウェアに身を包んだ方がたくさん!耳をつんざく程のチェンソーの音と、熱気と大きな歓声で、会場は大盛り上がりでしたわ!
全国から集いし32人のチェンソーのマジシャン!
具体的に、大会の概要を説明すると
林業の現場で行う作業を競技化した種目で、各競技で細かなルール設定のもと、点数化され競い合います。
特に、チェンソー操作時の安全に関しては手厳しいです。
林業技術の向上、人材確保の目的もあり、今回の九州伐木チャンピオンシップは日本全国からなんと32人もチェンソーのプロフェッショナルな方々が集まったとか。
安全第一!でも急いでね!えっ?! 傷一つで即0点?! 5つの競技の見どころは?
ひとつひとつ競技の説明をしますと
「ソーチェン着脱競技」は、チェンソーのメンテナンスの際に、ソーチェンがはめてあるバーを外して、そのバーを上下ひっくり返して(ひっくり返さないとバーが偏って摩耗する)またソーチェンを装着する。ソーチェンは刃物。タイムはもちろん、お手手を怪我すると減点されますの。
アタイ、いつもこれ30分くらいかかりますわ。なかなかボルトの部分にバーがはまってくれませんの。
いつも、あーーーってなって力技で押し込んでますわ!
※ソーチェンとは、チェンソーの、あのぐるぐる回る部分のチェーンのこと
皆さま、とってもスピーディーに、そして、丁寧に着脱されておりました。
着脱した自分のチェンソーを使って、このあとの競技に挑みます。
ここで、きちんとソーチェンが装着されてないとこの後の競技に響く仕組みなので決して気は抜けません!
「伐倒競技」は、15メートル先の目標とした木杭に、いかに近い場所に木を倒せるか?
3分以内に倒さないとダメとか、チェンソーをいれる角度などをミリ単位で見られちゃったり、安全面とスピードと倒す方向まで求められちゃう何とも恐ろしい競技。
アタイだったら、3分間あわあわしちゃうだけで終わりますわ。
選手の皆さん、とってもアグレッシブに競技に挑んでらっしゃいました!豪快さと繊細な動きが共存していて、見ていてとっても面白かったですわ!
「接地丸太輪切り競技」は、地面に置いてある2本の丸太を上から垂直に、30ミリから80ミリの厚さで切る。
接地面には、板があり、そこまでチェンソーがあたるとナント得点は0。そして、とってもイジワルな事に、接地面には目隠しとオガクズが置いてあって全く見えない。
この競技に出られる皆さんは、マジシャンか何かなんですかね。
「丸太合わせ輪切り競技」(写真右)は、傾いた2本の丸太を厚さ30ミリから80ミリに垂直に切り出す。その際、下半分と上半分に分けてチェンソーで切っていきますの。
確かに、実際の山にはまっすぐな木ばかりではなく視界も良いとは限りませんものね。傾いた木、倒れかけた木も安全に伐採するための技術なんですね!
上と下からチェンソーをいれる為、切り口に段差があると減点。
あわわ💦 お豆腐でもきるの難しいのに。
さらに角度もついてるので、簡単そうに見えて絶対難しいヤツですわ!
そして、最後の競技「枝払い競技」
1番見ごたえがある競技といっても過言ではないですわ!
小枝に見立てた枝を、ずんずんきっていく競技。細かなルール(移動する時は、チェンソーが丸太の右側にある時のみ、切り残しや、丸太に傷が入ってもNG)があるため、スピードばかり重視すると、どんどん減点されていくという恐ろしい競技ですわ。
みるみる間に、払われていく小枝。そして、四方八方に飛んでいく小枝。減点されないように一本一本、確実に仕留めていくチェンソーマン達の姿は、一見の価値あり。
さあ、これで全ての競技が出揃いました。
『緊張して練習の成果をだしきれなかった。』というのは、本大会で初出場を果たした國武林業のディッキーさん。『でも次こそは!』と、全てをやりきった笑顔がとても印象的でした。
普段のお仕事では、きちんとできていても、ギャラリーが多い中では緊張感の方が上回ったそうです。
くまもとlogging Clubの会長でもある後藤林業の後藤亮さんは、『普段の現場でも、木を倒す方向や場所など、あらゆる要因で緊張感を伴う作業もある。そんな中でも自身の技術を全て出しきれるようにしないといけない』どんな過酷な環境での作業でも、より安全にそして確実に行うための良い訓練にもなるとのこと。
最後の最後で本大会の意義がわかって良かったですわ!
かっこいいと安全は両立するんですね!
一方その頃、会場の他の場所では…
会場では、Dr.杉太郎さんの「どこでも杉パーク」で、発明品の杉のおもちゃで遊び放題。
チェンソーアート世界チャンピオンでもある木霊光さんのチェンソーアート実演も大盛り上がりでした!
えへへ♪ハトも乗れるほど大きい作品もありましたわよ!
その他にも、小さなお子さんも体験できる丸太輪切りや
今回約50年ぶりに復活した歩行者天国での「市民綱引き大会」では、メアリーも木こりさん達に混ざって参加させていただきましたわ!
その他にもフリーマーケットや美味しいキッチンカーなど目白押し!
小さなお子さまから、昔は子供だった大きな方々も、みんな楽しめる。そんな楽しい催しものが森々盛りだくさんでしたわ!!
現場からは以上です!
コメントをしたい方はこちらから